第1章 ヨウとおジィ 昔ばなし 04
おジィとの将棋を終えてひと段落していると、玄関のインターホンが鳴った。おジィが出た。最初は気にも留めなかったが、おジィとその男のやり取りが耳に入ってきて、首筋あたりに嫌な汗が滲んだ。西脇が家庭訪問にきたようだ。
「そんなこといってもねー、本人が決めて行かねーんだからさ」おジィは、我が祖父のことながら、驚くほど適当に対応していた。言葉の端々に鼻唄を交えながら、もの凄く不真面目に、西脇の言葉を聞き流している。二人のやり取りがさすがに気になって僕も玄関に赴いた。西脇からは、こんな