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《ATRACE (Musashino)》 ー地図を手がかりに世界に開かれた感受性を目指すー

《ATRACE (Musashino)》
2022
パネル・紙・水彩・鉛筆・色鉛筆
watercolor, pencil, colored pencil on paper, panel
31.8 × 41 cm

一昨年から続けていた武蔵野でのフィールドワークにもとづいた絵画です。

この系統を少し続けていこうと思っています。

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私にとって内面は風景と不可分であり、
過去に眼にして内面にインプットしてきた膨大な風景をひとつに統合する可能性のあるイメージとは地図であり、
地図とは世界の記号化であり、
世界は人間だけでなく動物や昆虫や植物や非生物や自然現象などを包摂している。

少なくとも前近代的な社会においては人間は今より世界に開かれており、日本人は「狐に化かされてきた」(水木しげる)。

この言葉は動物や昆虫や植物や非生物や自然現象に開かれそれらに溶け合うことができる感受性を持つ者が多かったという意味だと解釈する。
そしてそれは日本人に限った話ではないだろう。

私はそんな感受性に漠然と憧れながら、同時に近代的社会に生まれその中で生活せざるをえないために決してその感受性に追いつけないことを理解しつつ、しかし無数の風景を埋め込むことが可能な地図という媒体を手がかりとして、それに近づこうとしている。
私の絵画はその過程の記録のようなものだと思う。

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