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最期に残るのは「思い出」

お金の貯め方ではなく、お金の使い切り方を学び「ゼロで死ぬ」にはどうすればいいのか?

経済的に豊かになる方法ではなく、人生の豊かさを考えるための一冊。

本書での人生の目的とは「思い出を作ること」である。

記憶が投資だと考えると、生涯にわたって配当を出し続ける。

お金を使い切ってゼロで死ぬ、豊かな人生を紹介しよう。

著者[ビル・パーキンス]
コンサルティング会社BrisaMaxホールディングスCEO。エネルギー分野のトレーダーとして成功を収める。現在は、ヘッジファンドのマネージャーでありながら、ハリウッド映画プロデューサー、ポーカープレイヤーなどさまざまな分野に活動の場を広げている。

■今しかできないことには、絶対に金を惜しむな。

私たちは死を実感するまで、目の前の喜びを先送りにする。お金を無駄遣いしてはいけないと思い、機会を逃し続けている。

人はいつか死ぬという当たり前のことを考えれば、限られた時間の中で「自分が何をすれば幸せになれるのか」を知り、その機会にお金を惜しまないことだ。

将来の自分のために、若く貧乏な自分から金をむしり取るのは間違っている。

将来のことを考えるなというわけではない。将来の計画を持ち、今しかできないことを楽しむべきなのだ。

アリとキリギリスの話を知っているだろう。夏にせっせと食料をためていたアリと、遊んでいたキリギリス。冬になると、キリギリスはお腹を空かせるという物語だ。

この話で、キリギリスみたいな生活が正しいと言っているわけではない。アリはもう少し夏を楽しむべきだし、キリギリスはもう少し冬に備えるべきだということだ。

ここで言いたいのは、ほとんどの人が「アリ」になっているということ。

もしあなたが、その時にしかできなくて、人生にとって価値のあるものだと思うなら「借金してでも」すべきなのだ。

あなたが年老いて死ぬときに、そこでの体験や経験を消しますか?と大金を積まれ問われたとしても、絶対に消さないはずだ。

なぜなら、最後に残っているのは思い出であり、お金ではないのだから。

人生においてあなたがやるべきことは「思い出を作ること」なのだ。

■豊かな人生にしたいなら「ゼロで死ね」

毎日、毎日一生懸命働いて貯めたお金を使わずに一生を終えるのは、そのお金を稼ぐために使った時間を無駄にし、そのお金で体験できたはずの経験をも捨てたことになる。

その時間や経験が戻ることはない。

しかし、仕事が大好きで報酬はその副産物でしかないという人もいるだろう。仕事に情熱を持って、愛していることは素晴らしいことだが、それでもゼロで死ぬことを目指すべきだ。

その仕事をずっと楽しめるとは限らないし、何かに対してその報酬を与えることもできるだろう。

多くの人は、ただ何も考えず、習慣的に仕事をしていて老後のためにと使いもしないお金を貯める。もしくは、短絡的に目先の報酬だけを気にして生きていくかだ。

それでは、アリとキリギリスになるだけだ。

そうではなく、自分の寿命を最大に想定し、一年あたりの支出を計算するのだ。

しかし、単純にその額を貯金するわけでない。しかも、計画通りにいくとは限らないだろう。

さらに、お金の価値も変わっていくだろう。

若いうちの100万円と、老後の100万円の価値が同じだと思う人は少ないだろう。若いうちには出来ることが、たくさんあるが、年を重ねると体が老い、意欲が減る。

ではどうするのか?

具体的には、長寿リスクへの対応は「長寿年金」で対応する。「長寿年金」とは、長生きしすぎて資産を使い果たしてしまうリスクをとるものだ。

気になる方は、是非自分で調べてみてほしい。

つまり、死ぬ前にお金が尽きることはないようにして、生きているうちにお金をすべて使い切る。

最終目的は、富の最大化ではなく、人生の豊かさを最大化することなのだから。

■あなたが死んでから、与えても価値は激減している。

お金を「ゼロで死ぬ」ということは、残された子供たちのことを考えていないと思われる方もいるだろう。

「ゼロで死ぬ」というのは、自分のためにすべて使って死ぬのではない。子供たちなどの分は、切り分けた後のお金を使い切るのだ。

そもそもなぜ、死んだ後に渡す必要があるのか?

結論から言うと、「生きている間に財産を渡すべきだ。」

子供のことを本当に考えるなら、あなたが死んでから渡すのでは遅すぎる。子供にとって1番価値のあるタイミングで渡すべきなのだ。

仮にあなたが90歳で死んだとしよう、子供がその時60歳だったとする。子供は、このタイミングで財産を引き継いでも、使い道があまりない。

著者の見解だと、お金の価値が最も高いのは「26歳~35歳」がピークである。年齢が上がるにつれてお金から引き出せる価値や喜びが低下していく。

子供にとって最大限の価値があるように、財産を渡すなら「どのくらいの額か?」ということも重要だが、「どのタイミングか?」を考えるべきだ。

しかし、財産をどう残すのか?を説明してきたが、実際に子供の立場になって考えてみると「親が残してくれたモノ」の中に物質的なものを思い出すより、「一緒にいた時間」を思い出すことも確かだ。

冒頭にあったように、人生の目的とは子供もまた同様に「思い出を作ること」なのだ。

だが、大切な経験や、大切な人にすべての時間を費やすことはできないだろう。

「お金を稼ぐこと」と「大切な時間を過ごす」がトレードオフということを理解し、自分の時間をどう使うのかを決めるのだ。

どちらかを増やせば、どちらかが減るのは明確だ。

家族と旅行先で一週間過ごせる時間に、あなたはいくらお金を払えるだろうか。

愛する人と1日過ごすことにいくら払えるだろうか。

今、自分や子供や愛する人のために本当にすべきことは、「お金を稼ぐこと」なのか「大切な時間を過ごす」なのか立ち止まって考えてみよう。

あなたとあなたの大切な人との、思い出を作るために。


私の要約では伝えきれなかった内容も沢山あるので、この本が気になった方は、実際に読むことをオススメします。私は、たった一冊の本でも「人生は豊かになる」と思っています。


・紙の本


・kindle版(電子書籍)


・Audible版(オーディオブック)


・オススメ記事

■ヒトリゴト

まず、「ゼロで死ぬ」という考え方を学べたこの本は、間違いなく私の中では「良書」である。

人生において、「資産の最大化を目指すべきではない」と知り、「思い出作り」が人生の豊かさを決めるのだと。

投資の世界では一般的に「4%ルール」というものがある。

例えば、年間の生活支出の25倍を運用した際に、ざっくり年利5~7%と考えると運用益の4%を支出にしても資産は減らず増えていく。

わかりやすく言うと、1億円を運用して年利5~7%(500~700万円)の運用益があり、生活支出が4%(400万円)の場合は、年収400万円の生活がずっと出来るのだ。

「じゃあ頑張って生活支出の25倍を貯めましょう。」

これが最近よく聞く「FIRE」なのだが、本書の考え方ではこれだけでは足りない。

若いうちにはお金を貯めるのではなく、その時にしかできないことにお金を使う。中年なってから資産を積み上げ、年を重ねてからは資産を取り崩して「ゼロで死ぬ」ようにする。

タイミングを見て、4%をもっと上げてもいいだろう。老年になれば、年を重ねてからもできることに使ってもいいだろう。周りに与えることもできるだろう。

「お金を稼ぐこと」と「大切な時間を過ごす」ことのバランスをうまく取りながら生きていくのだ。

結局、私たちはいつかは死ぬのだから。

死ぬ前に、残っているのは「思い出」であり、あの日あの時の「大切な時間」は戻らない。

いつまでも、子供のころ大好きだったレゴで遊べるわけではないのだ。



私の情報が少なからず皆さんのお役に立てればと思います。

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