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もはや老いを恐れることはない。

生命は老いるようにはできていない、老化は治療できる病である、もはや老いを恐れることはない。

人間とは何かを定義し直す時だというべきかもしれない。なぜなら、これは一つの革命の幕開けであるだけでなく、新たな進化の始まりでもあるのだから。

著者[デビッド・A・シンクレア]
世界的に有名な科学者、起業家。老化の原因と若返りの方法に関する研究で知られる。ハーバード大学医学大学院で遺伝学の教授を務め、同大学校のブラヴァトニク研究所に所属。2014年には「タイム」誌による「世界で最も影響力のある100人」の1人に選出された。


■健康なまま120歳まで生きられる時代へ

長く元気でいられるようになる時代は近づいている。たんに寿命が延びるだけではなく、新たに加わった年月を健康で生き生きと幸せに暮らしていける時代だ。それは、みなが思っている以上に早く到来しようとしている。

そもそも寿命の上限とは何だろうか。そんなものがあるとは思わない。私と同じ分野にいる研究者も多くが同じ意見である。老化は避けて通れないと定めた生物学の法則など存在しないのだ。

存在すると言い張る者がいたら、それは物を知らない証拠である。死ぬことが珍しくなるような世界はまだはるかな未来の話だとしても、死を先へ先へと追いやれる時代は遠からぬところまで来ている。

私達は歴史の転換期に立っている。これまで魔法と思われていたことが現実になるのだ。人類には何ができて何ができないのか。その線を引き直し、避けて通れないと信じられていたものに終止符を打つ時が来た。


■健康寿命のために誰もが取り組めること

自分の長寿遺伝子を今すぐにでも働かせる方法はある。それは100歳以上の長寿者が多い場所で、何世紀も前から実施されてきたことである。日本の沖縄や、コスタリカのニコヤ半島、あるいはイタリアのサルディーニャ島などがそうした地域にあたる。

なかでも注目するのはそれらの人たちが何を食べているのかだ。彼らに共通する食習慣は「長寿食」と呼ばれるようになった。簡単にいえば、野菜や豆類や全粒の穀物を多く摂り、肉や乳製品や砂糖を控えるということに尽きる。

手始めとしては悪くない。いや、むしろ素晴らしい出発点だといえる。もっともホモサピエンスに「最適な」食事はなにかという点では、世界を代表する栄養学者の間でも見解は大きく分かれている。

それはたぶん、そもそも最適な食事というものが存在しないからかもしれない。つまり、誰一人として同じ人間はいないのだから、食事が多少異なっていても少しもおかしくはないのである。

とはいえ、寿命と健康寿命を最大限に伸ばすのはスイッチをひねるようなわけにはいかない。それは、この先数十年で登場してくる医薬品やテクノロジーに、いち早く手の届く人であっても同じだ。

選択には必ず正しいものと間違ったものがある。まずは、体内に何を摂りこめばいいかだ。そして何を摂りこまないかも。


■老化はリセットできる

生物の若さを取り戻す場合、傷ついた古いDVDを新しいプレーヤーに入れるという方法は、すでに試されている。

1996年には、エジンバラ大学のイアン・ウィルムットとその研究チームが、ヒツジの卵子の核を乳腺細胞の核に置き換えた。その結果がドリーである。ドリーが誕生すると。クローニングは危険だとして世間で議論が過熱した。

この議論のせいで、一番肝心な点がかすんでしまった。何かというと、老いたDNAであっても、再び若くなるための情報を保持しているということである。

今やクローニングは、家畜や競争馬、さらにはペットを再生する為にも行われるようになった。2017年には、クローン犬1匹を4万ドルという「お買い得価格」で注文できるようにもなっている。

こうした実験は極めて重要なことを告げている。つまり、老化はリセットできるということだ。DVDのひっかき傷は取り除かれ、元の情報が蘇る。エピゲノムに雑音が生じるプロセスは、けっして一方通行ではないのだ。


■未来の私たちが享受しうる夢の若返り治療薬

未来の私たちが30歳になったら、特別な遺伝子操作を施したアデノ随伴ウイルス(AAV)の注射を1週間の間に3回受ける。これを打っても、ごく軽微な免疫反応しか起こされない。インフルエンザワクチンを打った時より弱いくらいだ。

AAVの注射を受けた時点では、私たちの遺伝子の機能には何の変化も起こらない。しかし、たぶん40代半ばくらいになって老化の気配が忍び寄ってきたり、その影響が目に見える様になってきたら、ドキシサイクリンを処方してもらって1か月間服用する。これによって、リプログラミング遺伝子のスイッチが入るわけだ。

服用が終わったら、体は1か月かけて若返りのプロセスを辿っていく。白髪は消え、傷の治りが早くなる。しわは目立たなくなり、各器官の機能が蘇る。頭の回転も速くなり、高い音が聞こえ、メニューを読むのにもはやメガネはいらない。

体は再び若々しく感じられるようになる。きっと映画ベンジャミン・バトンさながらに、35歳に戻ったような気がするだろう。それから30歳に、やがて25歳に。ただし、ベンジャミン・バトンとは違って、そのあたりが若返りの終点だ。

生物学的にも、肉体的にも、精神的にも数十歳若返るが、知識や知恵や記憶はすべてそのまま保たれる。


■革新の時代はかならずやってくる

医療の在り方や、人間の生命の在り方については、長い年月を通して培われた固定観念がある。だから「そんなこと起こるはずかがない」といって片づける方が、大勢の人にとっては楽なのだ。

私たちにしたって、最近では「今の50歳は30歳と同じ」という言葉をよく口にするではないか。50を過ぎた人生はどうあるべきというかつての見方を、私たちは忘れているのだ。それも数百年も前の話ではなく、ほんの数十年前のことだというのに。

今この本を読んでいるあなたは、その革命の恩恵を受けられる可能性が高い。あなたは外見も行動も若くなるだけではなく、実際に若返る。肉体の面でも、精神の面でも。けっして突拍子もないたわごとなどではない。あなたは今の平均より長く生きる様になり、しかも新たに加わる年月はより良いものとなる。

新たな発見が一つなされるたびに、新しい可能性が生まれる。より速く、より正確な遺伝子解析を追求する過程で、1分が短縮されるごとに命が救われることに繋がる。

生きられる上限の針がたとえ大きくは動かないとしても、来るべき革新の時代には私たちはかならずやはるかに健康で、はるかに長く生きられるようになる。

「多くの場面で多くの人が」そうなるのではない。私たちのすべてが、だ。


■かつてないほど広がる格差

仮にあなたが1970年代のアメリカで中の上の階級に属しているとしたら、暮らし向きが豊かなだけではなく寿命も長いはずだ。当時、収入で見た場合の人口の上位半分は、下位半分より平均して1、2年長く生きていた。

ところが21世紀に入るとこの数字は大きく上昇した。上位半分は6年も長い人生を期待できるようになったのだ。2018年の時点ではその差がさらに開き、アメリカ人口の上位10%が下位10%より13年も長く生きるようになっている。

この格差がどれほどの影響をもたらすか、どんなに強調しても足りない。なにしろ、長生きしているだけで、金持ちはもっと金持ちになっていくのである。

そしてもちろん、もっと金持ちになればさらに長生きするようになる。例えば寿命が延びれば、同族経営の企業を取り仕切る時間が長くなる。その分、投資の結果として得られる一族の資産も指数関数的に増えていく。

その資産は事業に対してつぎ込まれるだけではない。世界トップクラスの医師、栄養アドバイザー、パーソナルトレーナー、ヨガインストラクターを雇うほか、最新の医学療法を利用するのにも使われる。

ということは、金持ちは健康を保ったままより長く生き、一生のあいだにより一層の富を蓄積する結果となる。これまでの例からいって、富の蓄積が好循環をもたらすのは、幸運にもその富に触れることのできる一族に対してだけだ。

この先数十年で遺伝子編集の技術はさらに進歩し、おそらくは世界中で受け入れられていくだろう。そうなれば世の親には選択肢が与えられる。生まれてくる子のゲノムを編集するのだ。

病気へのかかりやすさを減らすことも、特定の身体的特徴を選ぶことも、さらには知的能力や運動能力を高めることまでもできるようになる。子供に「できる限りいいスタート」を切らせてやりたいなら、金さえあればその願いは叶う。


■一番重要なこと、長い人生がもたらす人間らしさ

時間が刻々と過ぎていくのがそれほど怖くなくなれば、私たちは急ぐのをやめ、深呼吸をするようになるのではないか。

200年や300年余分にあったところで、誰一人行動を変えない可能性もある。所詮、宇宙という広大な仕組みの中では300年など物の数ではない。

具体的な長さはどうあれ、そうしたプラスアルファの年月が実際にもたらされたとき、大事なのは私たちがそれをどう使いたいかである。危険をはらんだ道をたどって暗黒郷へと堕ちていき、結局は破滅を迎えたいのか。それとも、一致団結して、どんなバラ色の夢をも凌駕する理想郷を築いていきたいのか。

今、どんな決断を下すかによって、私たちの作り上げる未来がどちらになるかが決まる。この決断は重要だ。気候変動、経済に深刻な負荷をかける様々な問題、この先予想される社会の激変。


こうした要因によって世界が危機を迎えるのを回避するには病気や、体の不自由を防ぐことこそが何にも増して大きな効果を持つ。失敗は許されない。

人類の歴史が始まって以来、これほど重大な選択はないのだから。



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限りある人生の中で沢山のことを成し遂げるには、時間が足りない。

子供の頃にゲームはやりすぎてはダメと叱られた経験はないだろうか。

私は子供の頃に、よくRPGゲームにハマって時間を忘れてプレイしていた。

頭のいい人は、効率の良いレベル上げや装備の収集などゲーム内でも優位に行動する。一方、情報や知識のない人は、最初の町でレベル上げをしていたりする。

ゲームの目的も様々だ、ストーリーを見たい人もいれば、ボスを倒したい人も、カジノのある街で遊ぶ人も、同じゲームの中でさえ、目的は違う。遊び方は人それぞれだ。

そして、ゲームを最大限に遊び尽くすのに必要なことは、情報や好奇心ではないと思う。

一番必要なものは、「幸せなプレイ時間」だ。

私は人生も似ていると思う。人生において、幸せな時間を増やすためには、まず、時間がなければならない。

時間だけは誰しも平等に流れている。しかし、平等に時間が与えられているわけではない。

それは誰かに奪われていたり、自分で制限をかけていたり、寿命が短かったり、一人に与えられる時間は有限であり、未知数である。

人生において、幸せな時間をより多く味わいたいのなら、健康寿命というプレイ時間を延ばすことは前提となる。

時間があればあるほどいいわけではない。だが、普遍的な時間こそが「幸せな時間」を作っている。

時間の使い方が問われる時代に、時間の上限を延ばすのは必然である。


私の情報が少なからず皆さんのお役に立てればと思います。
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