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思考を具体⇔抽象に変換できると、思考能力が劇的に変わる。


具体と抽象の思考が身につくと、無駄なことをしなくてよかったり、柔軟な発想から効率的に物事を進めることができるようになります。

本書では、具体と抽象の世界が理解できると以下のような効果が得られます。
・SNSでの不毛な議論
・上司と部下の関係
・コミュニケーションギャップの解消
・今までの延長ではない、発想

本書の目的は、具体と抽象という思考の軸を持って世の中を見ることによって、読む前と後で「世界が変わって見えるようになる」ということです。

著者[細谷功]
ビジネスコンサルタント、著述家。思考力に関する講演や研修を国内外の大学や企業などに対して実施している。著書に「地頭力を鍛える」「アナロジー思考」「問題解決のジレンマ」などがある。


■なぜ、具体と抽象が重要なのか?

具体と抽象の違いから、コミュニケーションギャップは生まれる。

例えば、「あなたの話は具体的過ぎて、わかりにくい」というのは、抽象の世界から見れば「たった一言」で済むことを、長々と語っているという印象を持つ。

逆に、「抽象的すぎてわからない」はピカソなどの「抽象画」は一部の人にとっては「訳がわからない」というものなのだ。

誰かに片づけをお願いする場合も、抽象的に言えば「部屋を片付けておいて」と言い、具体的な答えを求めている人からすれば、何をどうすればいいのか分からない。

それでは、具体的に「これはここに、それはそこに」と具体的に言えば、抽象的な答えを求めている人からすれば、「つまり片付けろ、ということですよね?」となる。

このように、具体⇔抽象の思考を双方に変換する力がコミュニケーションギャップの解消につながるのだ。

次に、ビジネスの抽象化について考えていく。近年のデジタル化によってビジネスの世界でもより抽象度の高い見方が求められるようになった。

例えば、「○○業界」というのは具体でみれば、同じような商品が同じグループに入るが、「戦場」がデジタルという場所なら「○○業界」という壁を越えて、具体的には違う商品が競合になる。

これがつまり「具体から抽象」の思考になる。

ここで少し具体から抽象の演習問題をしてみよう。以下のものの共通点は何?
・目覚まし時計
・懐中電灯
・旅行代理店
・カメラ
・お金

これらの共通点はデジタル化によって物理的なものから「スマホアプリ」になったものだ。

このように、「○○業界」という概念から新しいテクノロジーによって物事を抽象化して考えるということが重要になってくるのだ。


■抽象化とは?具体化とは?

抽象化とは、ある物事に対して目的に合致した特徴を抜き出して「一言で表現する」ことである。

例えば、数百ページもあるビジネス書の膨大な情報を、短く要約することも抽象化の一つであり、この記事がまさにビジネス書の抽象化をしている。

これは物事を俯瞰してみる(メタ認知)ということで、多くの具体的なものの中から「つまりこういうことだよね」を抜き出して説明している。

抽象化は、目的のもの抜き出すということで、逆に言えば不要なものを捨てるということだ。

つまり、抽象と捨象は表裏一体で「シンプルにする」ということなのだ。

次に具体化とは、抽象化の反対に自由度を下げて、選択肢や変数を絞り込んでいくのが具体化になる。

具体化の目的は、それを実行することが重要で、決められた変数の中で最適化を探す作業になる。

例えば、Aさんがダイエットがしたくて新年の目標を立てたとする。
①規則正しい生活をする。
②食生活を最適化する。
③余計なものを食べない。

具体と抽象の観点から見ると、これらの目標が達成できないのが分かる。

この場合、目標が抽象的だと具体的な日々の生活に落とし込めないので、「規則正しいってどういうこと?」「最適化って何?」「余計なものはどれ?」ということになってしまうのだ。

つまり、実行計画というのは、具体的であればあるほど、実現性が上がっていくのだ。


■問題解決は抽象から具体へ

具体と抽象は「問題解決」に当てはめて考えることができ、日々の仕事や生活の中の問題も多くの場合、川上(抽象)から川下(具体)という不可逆的な性格を持っている。

人生は選択の連続で、それはつまり大きな木の根っこから分岐して枝分かれし、最後には一枚の葉っぱにたどり着くことに似ている。

例えば、建物を建てるときで考えると、抽象度の高い建築家のコンセプトがあり、これは全体を俯瞰して見ており川上(抽象)にいることになる。

しかし、実際の施工になれば、土木工事や電気工事、内装工事といった専門的な分野に分かれることになる。これが川下(具体)である。

川上(抽象)の場合では、「そもそもの問題はなんなのか?」というWhyの思考で問題を発見する。川下(具体)では、「その問題をどうやって解決するのか?」というHowの思考で問題解決をする。

そして、大切なポイントが「どちらが正しいか?」で議論するのではなく、「いま、対象にしている領域は川上(抽象)なのか川下(具体)なのか?」ということである。

ここで、演習問題をやってみよう。

様々な部門に関連するような複雑な情報システムを全体コンセプトから見直す場合、どちらが好ましいか?
①様々な部門代表者をすべて集めて、全員の意見を聞く。
②まずは一人の人間が全体の構造を作り上げる。

この場合②が好ましいのが分かると思うが、少し解説しよう。問題では「全体のコンセプトの見直し」なので川上(抽象)にいることが分かる。

次に、①の部門代表者達から全員の意見を聞くより、②の一人でやる方が抽象度の高い全体の設計は好ましい。なぜなら、多数の意見が集まるほど「各自の特殊性が強調されたボトムアップ」つまり、川下(具体)になるからだ。

しかし、現実には①の選択肢が多い。全体を俯瞰して見て、コンセプトをくみ上げれるような人がいないから、全員で考えるということが起こっている場合が多い。

そして、この問題の「そもそもの問題はなんなのか?」を考えると、一人で設計できる人材がいないのは、一人で設計しようという思想そのものがないからである。

一人で設計する思想がないから、そういった人材が不足していることが顕在化されず、そういった人が出てこないのだ。

これでは、いつまでたっても問題は解決されない。


■折り曲げの法則

いきなりですが、「成功」の反対は何だと思いますか?

この問いは、一般的には「失敗」だがそうではない。

例えば、成功が「+100」で失敗が「-100」と仮定すると、そのちょうど真ん中の「0」が「成功でも失敗でもない」という中間になる。

しかし、ちょうど真ん中の「0」で折り曲げて、両端を合わせれば両極端だった「成功」と「失敗」が同じ場所で重なることになる。そして、その対極が「成功でも失敗でもない」になる。

起業家の話などでよく出てくるが、あるのは「成功」や「失敗」ではない。「やる」か「やらないか」であり、「失敗」なんてものは成功に至るステップでしかない。

このような折り曲げの法則に当てはまるものが結構ある。

例えば、「莫大な資産と莫大な借金」とか「愛と憎しみ」だったり、折り曲げた価値観からすると、莫大な借金を抱えている人が数年後には巨万の富を築くこともあるし、嫌いな人のことを四六時中考えてしまうのも「両極端だが紙一重」と言える。

そもそも、一般の人はそこまで借金をすることができないし、住宅ローン3000万を返済するより、5億円の借金から5億円の資産を作る方が簡単である。

愛と憎しみが対極ならば、憎しみが生まれるのは「愛が足りないから」ということになるが、折り曲げの法則の価値観だと憎しみが生まれるのは「愛があるから」になる。

愛するものを傷つけられるから、憎しみが生まれるのであって、誤解を恐れず言うならば「愛があるから戦争はなくならない」になる。

「愛と憎しみ」の対極は「無関心」なのである。

このように、折り曲げの法則を使った抽象化や具体⇔抽象を意識することで、物事が変わって見えるようになり、具体的なアプローチも見えるようになれば「世界が変わって見えるようになる」という本書に目的に行き着く。

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私の要約では伝えきれなかった内容も沢山あるので、この本が気になった方は、実際に読むことをオススメします。私は、たった一冊の本でも「人生は豊かになる」と思っています。




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■私の考察

この本は、ビジネス系Youtuberのマコなり社長が紹介していた本で「トレーニング本」かなと思ってそこまで期待していなかった本でした。

全然期待していなかった私ですが「いやいや、めちゃくちゃ面白いじゃん」というが感想です。

具体⇔抽象ってこんなに使える思考パターンだったのかと痛烈に感じました。この本では、説明や例え、演習といったトレーニング要素も入っていて「考えることが好きな人」特に、意思決定を多くする人にはオススメですね。

具体と抽象のコミュニケーションギャップで考えれば、法律は具体的過ぎて分かりずらいし、政治家は抽象的なことを言い過ぎて何がしたいか分からないことが多いと思う。

私たちの身近にも、経験が浅い部下に抽象的な「やっといて」という指示だったり、「専門的な知識がないお客様」に具体的な専門用語を並べたりして「結局どういうこと?」というコミュケーションギャップがありますよね。

つまり、この本の具体⇔抽象を実践するなら、説明をするのならより抽象的に、実行するならより具体的にということになります。

そして、大切なポイントは今のこの問題は抽象が求められているのか?具体的が求められているのか?に注目することで、「そもそもの問題はなんなのか?」と「その問題をどうやって解決するのか?」を使い分けできれば不毛な議論が繰り返されずに済みます。

また、折り曲げの法則の抽象化も面白いですね。「成功」の反対は「失敗」ではないという、一般的には違うけれど「別の見方だとこうなるよね」という思考は気づきが多いですね。

あなたも、具体⇔抽象のトレーニングで思考力を伸ばしてみませんか?

ではここでお知らせです。

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