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【妻が乳がんになりました】がんと洗脳

「今日H先生のところへ行ってくる」

昨日2回目の抗がん剤のせいで吐き気がすると昨晩訴えていた妻は今日もつらそうだ。

「大丈夫なのか? 無理しない方が良いよ」

「H先生と検査結果を聞きに行くって約束してるから。結果聞くだけだから、そんな時間かからないし」

一体なんの結果を聞こうというのか?
言っては悪いが十分ガンという結果は出てるじゃないか。
H先生とは、妻が10年以上通っている心療内科医でアンチエージングが専門だ。アンチエージングではたびたびメディアにも取り上げられ、俺も名前だけは知っている。

10年前
妻がH先生のところに通い始めたのは、義姉の紹介だった。
「H先生によると肩こりや片頭痛もホルモンのバランスが良くないっていわれてさ、それでホルモンのお薬毎週いただいて、随分よくなったの」
という義姉の体験談を聞いて、妻も一緒にH先生のところに毎月通うこととなった。
毎日H先生からいただいた色とりどりの薬をありがたく飲む妻。
保険が聞かないので普通の薬より高い。
それでも健康につながるのであればと俺も特に妻を咎めたりしなかった。

3年前
義姉が一人暮らしのマンションで突然亡くなった。亡骸の傍らにはH先生から処方された薬が置かれていた。
死因は心不全。
数年前からてんかんを発症しており、絶大な信頼をおくH先生にも相談していたはずなのに。

そして妻だ。
毎月H先生の所に通い、H先生の診断を受け、毎日H先生が処方してる薬を飲んでいるからと自分の健康に絶対の自信をもっていた妻。
しかもがんの自覚症状(左胸のしこり)があってから2年間ほうっておいたのだ。
その間にH先生のクリニックに何十回いったことか。
H先生の専門ではないから、がんは見過ごされてしまうのはしようがないかと思う。
しかしアンチエージングの対策をしているからって問題がないわけではないのだ。
逆にH先生のクリニックに通っているから大丈夫という過信が妻にはあったのかもしれない。

さらに気になるのはがんと判明してからも、H先生の所に通い、今日も具合が悪い中、H先生の所にいったこと。

俺は妻がもしかするとH先生に洗脳されているんじゃないかと思うのだ。
アンチエージング教に妻は入信してしまったかもしれない。
H先生に洗脳されているのかもしれない。
そんな証拠は今のところみつからないのだが。

俺が今現在いえること。
自分が健康を気にして、色々手を打っているから自分だけは大丈夫と思わない事。
そして健康診断は毎日受けて、複数人の医師と付き合っておくこと。

これがガンにならないために重要なことだと思う。

妻はH先生の診察が終わった後、案の定調子が悪くなり、3日寝込んだ。
なにがアンチエージングだ!

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