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みんなちがって、みんないい

 普段のお料理に青ネギをワケギに変えて味の分かる大人になった私は地域おこし協力隊として三原市にある佐木島で柑橘栽培を行っている柴田將志と申します。ワケギという野菜に馴染みのある方は少ないかもしれませんが、ワケギの生産量は都道府県別に見ると広島県が最も多く三原市や尾道市で主に生産されています。佐木島について言えば、青ネギよりもワケギの方が調達が容易でその為、青ネギに代わってワケギをよく消費しております。食味としては、あくまで私の感想ですが、青い部分がニラと青ネギの間、白い部分がタマネギと白ネギの間ほどの味わいが特徴で一石二鳥、現代風に言えば、IpadやSurfaceなどが該当するかと思います。

 ワケギの魅力をこのようにお伝えすれば、ワケギの消費者層もより多様化していくのではないのかと期待しているのですが、なかなかワケギが市場に出回らないのは、やはり青ネギと代替が利くという考えが根底にあるようで、現代風に言えばiphone 15でなくともiphone Seでいいのではないかという消費者志向を考慮した結果なのだろうと推測致します。消費動向の変化により、いつかワケギに流行が訪れる日もそう遠くはないと感じております。三原市地域おこし協力隊として私は今後ともワケギを応援して参ります。皆様何卒ワケギを宜しくお願い致します。

 さて本日は私がお借りしている柑橘園地の園主様が管理している圃場にて防除(農業害虫や病害の駆除)を行っておりました。そちらの園地で栽培されている品種は石地ミカン、青島ミカン、デコポン、八朔の四品種になります。佐木島に関して言うと、愛媛県のような主要産地とは異なり、日南ミカンのような 極早生(ごくわせ)ミカンや宮川早生のような早生(わせ)ミカンを栽培されている方は少なく、中生(なかて)ミカンである石地ミカンを栽培されている方が多い印象です。後は八朔(はっさく)やデコポン(不知火)のような中晩柑(ちゅうばんかん)がほとんどで、かつては極早生(ごくわせ)ミカンや早生(わせ)ミカンも栽培されていたそうですが、徐々に石地ミカンに移行していった経緯があると地元の方から聞いております。石地ミカンは広島県が発祥とされており、単価も割と高く取引されているといった背景があり、広島県内ではよく知られた温州ミカンとなります。ただ石地ミカンは隔年結果(実がなる年とそうでない年)が顕著に現れるなど栽培が難しいとされています。余談ではありますが、広島県は奇数年が表年(実が沢山なる年)にあたる傾向にあり、今年は裏年(表年の反対)にあたるそうです。

 今回は品種の紹介も兼ねて綴らせて頂きました。品種によって酸味や糖度、それから風味が異なるのは言わずもがな、このミカンだからと万人受けするということもなく、酸味のある方が好きだという方もいらっしゃれば糖度が高い方、あるいは、それら中間が好きだという方もいらっしゃり、好みは、まちまちです。
 
 是非、皆様にも品種ごとの違いを意識してワケギを楽しんで頂きたく思います。金子みすゞの詩「私と小鳥と鈴と」を口ずさみながら今月3月分の記事を終えさせて頂きます。

・温州ミカン系統(極早生ミカン~晩生ミカン)

※極早生(ごくわせ)ミカン
09月から10月上旬にかけて収穫され、早生ミカンよりも酸味があるのが特徴  
ex)日南1号、ゆら早生....etc

※早生(わせ)ミカン
10月中頃から長くて12月にかけて収穫され、極早生ミカンより酸味が少なく糖があるのが特徴 
ex)宮川早生、興津早生….

※中生(なかて)ミカン
11月から12月にかけて収穫され、酸味と糖のバランスが良いのが特徴  
ex)石地ミカン、大津4号.…

※晩生(おくて)ミカン
12月から1月にかけて収穫され、糖が高いのが特徴  
ex)青島、寿太郎.…

※中晩柑・・・1月から5月にかけて収穫され、種類が多いのが特徴
ex)紅マドンナ(あいかミカン)、はるか、はるみ、清見….

※晩柑類(その他)
3月下旬から6月下旬にかけて収穫が始まり、収穫時期によって味が変わるのが特徴 
ex)河内晩柑、文旦(ジャボン)、チャンドラポメロ、安政柑、 晩白柚(ばんぺいゆ)、瑞樹(みずき)....

補足)
上の写真は剪定作業です。


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