転職の相談は誰にすべき?NGの相談先とおすすめの相談先を紹介!
転職者が抱えるよくある悩み・不満とは?
転職市場が広がるなか、自分も転職すべきか悩んでいる場合は、実際に転職した人たちが共通して抱える悩みや不安について確認してみましょう。
転職はその後の人生を大きく変えるため、安易に判断を下すべきではありません。転職を希望した人がどのような悩みや不満を抱いて転職を決意したのかを知ることで、自分も転職すべきか否かという判断材料となるでしょう。
■給料が上がらない
多くの転職者が、給料が上がらないという悩みを抱えています。
給料は働くための大きなモチベーションであり、その人の評価そのものです。成果を上げているにもかかわらず、昇給のチャンスがないのであれば、より高い給料を受け取れる職場に転職を考えましょう。
給料が上がらない原因は、「稼げない業界・職種に就いている」「年功序列で額が決まる」「評価体制が整っていない」「成果が正当に評価されない」など、状況によってさまざまです。能力に相当する給料を受けて取れていない感じた場合は、他者からの評価も考慮したうえで転職するか判断しましょう。
■残業・休日出勤がある
残業や休日出勤は、心身の健康やプライベートの時間に大きく影響するため、転職者によくある悩みです。働き方改革が進んでいる現在でも、残業・休日出勤を強いられるトラブルに多くの被雇用者が直面しています。心身の健康を損なう働き方や、希望のワークライフバランスが崩れる働き方を強制される場合は、転職を考えましょう。
特に、会社と36協定を結んでいる場合は、法的にも時間外労働・休日労働させることが可能となるため、残業・休日出勤が常態化しているケースがあります。一方、36協定を結ばず、週に40時間以上の時間外労働している・法定休日に休日出勤をしている場合は、労働基準法に違反している可能性があります。
自分の雇用契約を見直し、転職先で同じように残業・休日出勤の問題が発生しないよう注意が必要です。
■仕事にやりがいや将来性がない
仕事にやりがいや将来性がないという悩みも、転職を決意するきっかけとなっています。
比較的若い世代や、ルーティンワークに従事している人が感じやすい悩みです。今後のキャリア設計を再考した際に、今の職場や仕事に熱意をもって取り組む自信がない場合は、転職を考えましょう。
転職を考える際は、仕事内容にやりがいを感じていないのか、職場環境によってやりがいのある業務を担当できていないのか、しっかりと見極める必要があります。職場を変えて同様の職種に就く場合は、どのようなキャリアを積みたいのか具体的に思案しましょう。
■人間関係に問題がある
精神的なストレス原因となる人間関係の問題も、多くの転職者が共通してもっている悩みです。
職場の雰囲気や社内制度に問題がある場合もありますが、どうしても自分とはそりが合わない同僚や、意見が異なる上司は存在します。精神的に辛い・仕事に支障をきたすなど、人間関係が非常に悪い場合は、心機一転新しい職場で働くことも考えましょう。
人間関係の問題は、仕事内容や会社を問わず、どこでも起こりうるトラブルです。転職先で、良い人間関係が築ける保障はないため、今の職場で転職以外の解決方法を試してみてから転職を考えましょう。
1人で悩まないことが大切!転職の相談は誰にしたらいい?
転職をする・しないにかかわらず、他者からの評価やアドバイスは、転職の決意や方向性を決めるうえで大いに役立ちます。しかし、相談相手によっては、間違った判断に誘導されてしまったり、転職活動の妨げとなったりするリスクもあります。そのため、相談相手選びは非常に重要です。
ここからは、「転職の相談を誰にすべきか」という疑問を解決していきましょう。
■NGな相談相手:同僚・上司
転職の相談相手を選ぶ際は、同僚・上司をできるだけ避けることをおすすめします。
同僚や上司に相談する場合、同じ職場で同様の職場環境にいることから、悩みや不安を理解してもらいやすいというメリットがあります。
しかし、同じような境遇でも、相談した同僚・上司が自分の転職を応援してくれるとは限りません。転職を考えていることが会社に伝わってしまえば、社内で自分の評価が下がる・噂が広がる・仕事がやりにくくなるといったトラブルも考えられます。なかには、転職をさせないよう「転職妨害」をする企業も存在します。
転職してもしなくても、良い結果を招かない可能性があるため、できるだけ同僚や上司には漏らさないようにするのが無難です。
■要注意の相談相手:家族・恋人・友人
家族・恋人・友人は、とても親身になって相談にのってくれるでしょう。しかし、家族・恋人・友人への相談は注意が必要です。家族や恋人の親身な姿勢が、転職を妨害してしまうケースもあるためです。
特に、子供がいる・結婚の予定があるという場合、家族や恋人は転職するリスクを考えて、転職に前向きな意見をもらいにくくなります。家族・恋人の考え方にもよりますが、安定志向で転職に否定的な意見をもつ場合は、受け取る意見に偏りが出てしまうため相談相手としては向いていません。
友人は家族や恋人よりも、客観的な意見を期待できます。しかし、その友人が転職や求人のプロではない限り、受け取る情報が最新ではない・正確ではないかもしれません。アドバイスのなかに、友人の主観が入っている可能性もあります。
家族・恋人・友人に相談する際は、相手の性格や考え方も考慮し、場合によっては意見を軽く受け流すことも重要です。
■おすすめの相談相手①会社のOB・OG
会社のOB・OGは、おすすめの相談相手の1つです。同じ職場の似た境遇で働いており、すでに転職した人たちのアドバイスや経験談は、自分の転職にも活かせる有益な情報といえます。
OB・OGが転職に成功した・失敗したという話やその理由は、自分も転職するのかを判断する参考となります。さらに、転職時に実際に利用した求人サイトや面接時のポイントなど、具体的な転職活動の内容もヒアリングできます。
会社を辞めた先輩や同僚と連絡がとれる場合は、一度相談してみるとよいでしょう。自分1人では思いつかない、転職を有利に進めるアドバイスをもらえるかもしれません。
■おすすめの相談相手②転職エージェント
転職エージェントへの相談は、王道の手段です。転職エージェントには、最新の転職ノウハウや業界情報が集まっており、数多くの転職者をサポートしてきた経験もあります。転職すべきか否か・具体的にどう転職活動をすれば良いのかは、転職のプロに相談するの1番といえるでしょう。
転職エージェントには、転職を決意してから相談するイメージをもっている人もいるかもしれません。しかし、実際には転職するか迷っている段階でも、転職エージェントに相談することができます。対面式だけでなく、メールやチャット、オンライン面談と、さまざまな手段で相談できる点も魅力です。
ただし、一部の転職エージェントでは、面談を拒否される・無理矢理希望以外の企業に応募させられるといったトラブルも発生しています。全ての転職エージェントが相談相手として向いているわけではないため、自分に合った転職エージェントを見つけることが重要です。
■おすすめの相談相手③厚労省「おしごとアドバイザー」
国も、1人で悩む転職者の無料の相談窓口を設けています。厚労省が提供する「おしごとアドバイザー」は、転職の公的な相談相手としておすすめです。
おしごとアドバイザーでは、就職や転職の疑問や悩みを電話・メールで相談できます。公的な機関ということもあり、転職エージェントで起こる可能性のあるトラブルの心配もありません。転職するか迷っている人・転職アドバイザーには相談しにくい人・漠然と転職を考えている人でも、気軽に相談できる利点があります。
電話の相談時間は「平日17時~21時 」「土日・祝日10時~21時」と、忙しい人でも利用が可能です。キャリアコンサルタントの有資格者がサポートしてくれるため、プロのアドバイスを受けることができます。ただし、転職エージェントのように求人の紹介はないため、転職活動自体は別に自分で行う必要があります。
まずは誰かに相談してみたい人や、忙しくて相談時間がないという人は、小さな疑問や不安であっても気軽に利用してみましょう。
■おすすめの相談相手④ハローワーク
ハローワークも、転職に関する相談を受け付けている公的な窓口です。無料で相談できるうえ、公的な機関であるため転職エージェントで発生し得るトラブルも発生しません。
ハローワークでは、相談員による転職相談や、ハローワークに集まった求人の検索、職業訓練の申し込みができます。転職活動をトータルでサポートしてくれるため、キャリアアップしたい人、今とは全く違った業種に転職したい人でも、安心して相談できます。
また、ハローワークは全国の各地域に設置されているため、地元の求人情報が多く集まります。ハイキャリアの人以外の求人や相談も多く扱っているため、キャリアに自信が無い人でも相談しやすいという利点もあります。
ただし、ハローワークの求人には、大企業・好待遇・専門性のある求人が少ない傾向があります。そのため、転職相談はハローワークで行い、転職活動は民間の求人サイトや転職エージェントを利用するなど、目指す職場によっては使い分けが必要です。
相談前に準備しておきたい4項目
転職について相談する際、どこで誰に相談する場合でも、事前に自分のなかの情報を整理をしておくことが重要です。
1人で悩んでいても仕事や転職に関する悩みは解決できないものの、自分の現在の状況を整理しておかなければ、相談相手に恵まれても具体的な相談ができません。「なにに悩んで、どうしたいのか」をはっきりさせることで、相談された側も建設的なアドバイスを行うことができます。
相談する相手が決まったら、下記の4項目を準備しておきましょう。
■本当に転職すべきか確認する
まずは、本当に自分が転職すべきかもう一度確認してみましょう。
「転職する明確な目的がない」「他責思考がある」場合は転職が失敗に終わるリスクがあります。
転職理由や目的が明確にない人は、周りに影響されやすく、なんとなく転職活動を行ってしまいがちです。企業側は、目的意識や熱意をもって働いてくれる人材を求めています。転職したい理由がわからない、転職後に実現したいことがない人は、採用されない可能性も高いため、転職すべきではないといえるでしょう。
また、他責思考の人は、自分が不利益を被っている理由がすべて会社側にあると思い込んでいます。スキルアップや知識を集める努力もなく、給料が低い・キャリアアップできないという理由で転職を考えているケースもあります。
転職では、新しい職場が今の職場より良くなることも悪くなることもあります。転職を甘く見ず、自分の現状を正確に把握しましょう。
■悩み・不満を言語化する
転職について悩み出したら、自分の現状や悩み、不満を言語化していくことで転職の目的や悩みの根幹を明確にすることができます。
悩みや不満を言語化するときは、「深堀り」を意識してください。例えば「仕事にやりがいを感じない」という悩みでは、まず「なぜやりがいを感じないのか」を言語化します。「他にやりたい職種がある」という答えが出たとしたら、続いて「なぜその仕事をしたいのか」を言語化していきます。このように、「問いかけ」と「答え」を繰り返し、悩み・不満を深堀りしてみましょう。
悩み・不満の1つひとつを深堀りすれば、転職しようか迷っているというアバウトな状態から、希望の職種・働き方・待遇、やりたくない仕事が明確な状態にすることができます。相談内容が明確になれば相談相手もアドバイスを考えやすくなるため、できるだけ自分の気持ちや希望を言葉で説明できるように準備しましょう。
■転職における優先順位を決める
自分のなかで転職を前向きに考えている場合は、転職に求めるものの優先順位を決めましょう。
転職において、給料・待遇・仕事内容・ポジションと、すべての希望を満たす職場はほぼ見つかりません。そのため、譲れない軸を決めて、その他については許容範囲を広くとっておくことがおすすめです。仕事内容や給料に強い希望はないが、「転勤は絶対にしたくない」「将来的には産休・育休を取得して、仕事を続けたい」など、今後のライフスタイルも想定しておくとよいでしょう。
また、優先順位を決める際は、自分の市場価値も見極めることも重要となります。例えば、未経験の職種に転職したい場合に、高収入を最優先事項にしても実現は難しいものです。未経験の職種であれば、仕事内容や研修が充実している職場の方が転職を成功させやすいでしょう。
せっかく転職しても、自分に合っていない職場や、無理して入った会社であれば長続きせず、再び転職を余儀なくされる可能性があります。転職をする目的を明確にして、自分のなかで最優先事項をしっかりと決めておきましょう。
まとめ
今回は、転職について悩んでいる人に向けて、適切な相談相手の選び方を紹介しました。転職の相談する場合は、親身になってくれる、かつ客観的・建設的なアドバイスができる相手を選ぶこと重要です。今の仕事に不満があり、転職も視野に入れている人は、まずは適切な相手に相談して、転職すべきか否かを判断してください。
その後の人生に大きな影響を与える転職は、安易に決められるものではありません。結論を急がず、慎重に情報を精査しながら相談や転職活動を進めましょう。
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