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リーダーシップの本質

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リーダーシップの本質についてまとめた内容になっています。本質を捉えれば、応用は自由自在です。さあ、リーダーシップの旅に出発です。
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記事一覧

第1話 1人でも部下持ったらリーダーシップの問題が浮上してきます

    リーダーシップという言葉を耳にしたことがない人はいないでしょう。リーダーシップという言葉は、いろいろな場面で多く用いられます。 新聞、雑誌等では、偉大な指導者のリーダーシップ、政治家のリーダーシップ、スポーツチームの監督のリーダーシップとか毎日のように多く使用されています。 自身とかけ離れた遠くのことばかりでなく、身近でも、うちの会社の○○部長はリーダーシップが、あるとかないとか居酒屋での話題に登ることもよくあることと思います。     たいていは、真剣に考える

第2話 人は、それぞれ、暗黙のリーダー像を持っている

    2021年春就職予定の男女に対して、ある生命保険会社が実施した、新入社員が選ぶ「理想の上司」総合ランキングの結果は、男性上司では、「内村光良」さん、女性上司では、「水ト麻美」さんが、ともに、“親しみやすい”、“優しい”イメージで5年連続の1位でした。2位は、男性では“知性的・スマート”、“頼もしい”イメージから「櫻井翔」さん、女性では、“頼もしい”、“姉御(肌)”イメージから「天海祐希」さん、3位は、男性では、“指導力がある”、“実力がある”イメージで「イチロー」さん

第3話 リーダーシップとは?

    リーダーシップという言葉は、新聞、テレビ、ラジオなど巷でもよく使われる用語なのですが、その定義は、どのようなものでしょうか。意外と人によってさまざまなものがあります。リーダーシップ研究においても研究者の数だけ定義があるといわれています。     このような混乱が起こるのはなぜなのでしょうか、その理由のひとつには、リーダーシップをどのレベルで定義するのかの問題があると思います。例えば、インド独立の父と言われるマハトマ・ガンディー、や黒人の公民権を勝ち取ったマーティン・

第4話 「リーダー」はどのようにして現れるの?

 今回もお読みいただきありがとうございます。第4話目として、「リーダー」はどのようなプロセスで選ばれるかについて書かせていただきます。 「リーダー」はどのようにして現れるのでしょうか。大きく次の3つの選ばれ方があります。①「自然発生的なリーダー」、②「選挙で選ばれたリーダー」、③「任命されたリーダー」です。以下、このことについて説明させていただきます。  例えば、子どもの頃を思い出してみましょう。学校の休憩時間に校庭で何をしようかとなったときに、誰かがサッカーしようと言い出し

第5話 マネジメントなの、リーダーシップなの、どっちなの?

 今回もお読みいただきありがとうございます。前回の、第4話では、マネジメントとリーダーシップを混同しないようにということを説明しましたが、混同しないためには、それぞれの差異が理解できていなければなりません。今回は、もう少しその差異を、会社組織を例にとって説明していきたいと思います。  会社は人の集まりですから、人の集団を動かして成果を上げていく必要があります。人の集団を動かす方法として、マネジメントとリーダーシップがあります。  マネジメントとは、組織目標達成のために計画や

第6話 それって、リーダーのせいなの?

 今回もお読みいただきありがとうございます。また、「スキ」を押していただいている方々、フォローいただいています方々に感謝いたします。  リーダーシップについて議論する場合、その有効性をどこに求めるのかということは、議論の目的を決める上でとても重要なことです。そこで今回は、リーダーシップと有効性についてお話ししたいと思います。  居酒屋などでリーダーシップについて話題にする場合、多くは、その有効性について語ることが多いと思います。また、普段から各種メディア等で見聞きする場合に

第7話 リーダーはフォロワーの「内発的モチベーション」を支援せよ!

 今回もお読みいただきありがとうございます。スキをくださっている方、フォローいただいています方々に感謝いたします。今までお話ししてきた中で、動機づけという言葉について何度か出てきたかと思います。リーダーシップの最も重要な機能は、フォロワーの動機づけ機能です。動機づけという用語は、心理学用語ですが、同じく英語表記のモチベーションの方が一般的によく知られ、使用頻度も多いと思いますのでモチベーションについてお話ししたいと思います。  モチベーションという言葉についても、日常生活や居

第8話 フォロワーはどのようにリーダーを認めるの?―推論過程と再認過程―

  今回もお読みいただき、ありがとうございます。なんとか第8話まで書き進めることができました。貴重な時間を使って、お読みいただいていますことにあらためて感謝申し上げます。第3話で、リーダーシップとは、ついてきてくれる人、つまりフォロワーがいて初めて成立するということを説明しました。今回は、フォロワーは、なぜリーダーについて行くのかということについて説明したいと思います。  部下社員がリーダーの地位にある人を、意地悪な、おっさんや、おばさんと思っているとしたら、ついて行くこと

第9話 リーダー・プロトタイプ像とリーダー行動

 今回もお読みいただきありがとうございます。スキをくださっている方、フォローいただいています方々に感謝いたします。  第8話で、リーダーについて行くかどうかは、フォロワーが持つ「リーダー・プロトタイプ像」に左右されるということを説明しましたが、今回は、「リーダー・プロトタイプ像」の具体例とリーダー行動との関係について考えてみましょう。リーダーとはこういう人であるという一連のイメージが「リーダー・プロトタイプ像」です。  どのようなものなのでしょうか。学生時代、部活、ボランテ

第10話 フォロワーの記憶がリーダー評価の決め手です!

 今回もお読みいただきありありがとうございます。前回の第9話では、「リーダー・プロトタイプ像」に加え「プロトタイプ的行動」、「モデリング」という概念を用いて、リーダー行動について説明しました。今回は、リーダーを評価する拠り所となる、フォロワーが持つ「リーダー・プロトタイプ像」と「プロトタイプ的行動」について、その差異について、リーダーを認識する情報処理プロセスの観点からもう少し詳しく考察してみたいと思います。  第9話で述べたとおり、過去の経験や小説や映画等からフォロワー自

第11話 リーダーシップの研究にはどのようなものがあるの?~その1

 今回もお読みいただきありがとうございます。なんとか11回目を迎えることができました。これもひとえに、読者の皆様からのスキやフォローのおかげと感謝しています。今回も一生懸命書きますので、是非とも、お読みいただければとても嬉しいです。  さて、今回までリーダーシップについて、その認知に焦点を当てて、書いてきました。ここで、今回と次回の2回にわたって、これまでリーダーシップについてどのような研究がなされてきたのかということについて、簡単に振り返ってみたいと思います。過去の研究をレ

第12話 リーダーシップ研究にはどのようなものがあるの?~その2

 今回は、第11話に引き続いて、1970年代以降のリーダーシップ研究のレビューを行いたいと思います。1970年代に入ると、唯一絶対のリーダーシップ・スタイルが存在するという単純化されたものの見方に変化を促し、リーダーシップの有効性は、リーダーがおかれた状況に依存するという、より現実的なものの見方が提供されるようになりました。「コンティンジェンシー(条件適合)理論」の展開です。このような見方を最初に提唱したのはフィードラーという学者です。その他の理論としては、ハウスの提唱する「

第13話 リーダーのフォロワー観の差異が組織業績の差異につながる!

  今回もお読みいただきありがとうございます。読者の方々からのスキやフォローをいただいたおかげで、なんとか13話まで書き進めることができました。今回は、本(2021)年最後の著作となります。一生懸命書かせていただきますので、よろしくお願いいたします。また、年末年始のお休みがある方は、第1話から通してお読みいただきますと嬉しいです。   前回のお話で、リーダーシップの研究において、1980年代に入りようやく、従順で受動的なフォロワー観から、主体的で能動的な認知者としてのフォロワ

第14話 リーダーが持つ古くて新しい人間についての仮説

 今回もお読みいただきありがとうございます。2022年最初の著作となります。一生懸命書かせていただきますので、今年もよろしくお願いいたします。前回第13話では、マグレガーのX理論、Y理論を紹介し、リーダーのフォロワー観の差異がリーダー行動の差異につながることを、単純化してお話ししましたが、人間観は単純に白か黒か2極に分かれるものではありません。    今回は、人間についての仮説についてもう少し拡大して考えてみたいと思います。今回は、社会心理学者のシェインの提唱する「合理的経済