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組織開発における『事務局』が大切にすべき4つのポイント

世界中のヒトや組織の可能性を拡げたい平井です。組織力向上プラットフォームWevox(ウィボックス)でカスタマーサクセスを担当しています。

組織づくりに向き合う中で、『自走する組織(会社)をつくる』という命題に向かって動いていると、「自走するんだったら、事務局の仕事は減っていくよね」「後は現場に任せていくので、事務局は見るだけだね」という感覚になる人たちもいます。

しかし、事務局は自走を進めていく上でとても重要な存在です。むしろ、彼らにしかできない役割を認識していくことが必要です。


自走ができない会社は事務局に火種が不足している

私たちはよく、「組織の改善活動は、どこかに火種が存在しなければ絶対に前に進まない」というお話をしています。

当たり前ですが、今まで組織についてあまり考えてこなかった会社においては、新しい『自分たちのあり方』を考えるところからスタートしなければならないので負担は大きいですし、中心となってそれらを進めていく「誰か」の存在は欠かせません。

経営層の人たちも、もちろんそのような役割を果たす必要がありますが、現場の人たちは、むしろ社内で活動を始めている事務局の人たちや、人事の人たちがどのような態度でこのプロジェクトに関わっているのかという部分をよく見ている気がします。

例えば、オフラインイベントをする時、私はそこでファシリテートをしている事務局の人たちの様子をよく見ますが、シンプルに言えば、気持ちが入っている人と入っていない人は、明らかに会場の空気に差が生まれます。

本当に組織を変えたいと思っている人は、話し方に熱が入るので、周りで聞いている人たちも「お!?」 という顔をして話に入っていく一方で、なんだかやらされ感で動いている人は、そのイベントの脚本や台本を棒読みしていることが多々あります。その時、イベントに参加している人たちの顔も、もちろんどこか他人事だし、別の言い方をすれば「また始まった」という雰囲気がでてしまうのです。

私は、事務局の人たちがそのような空気を作ってしまったときには、第一声からその場の雰囲気作りをするぞという意気込みでセミナーをスタートさせます。

事務局から言うのか、第三者から言うのか?

次に感じるのは、ネガティブなことを伝えなければいけない時に、外部のセミナー講師から伝えるのか、内部の人事や事務局の人たちから伝えるのかということです。

例えば、3回連続のセミナーの中で、前回宿題として出したことを全くしてこなかった担当の人たちがいます。「挨拶活動をします」 と宣言をしたにもかかわらず、次の回で確認をすると「何もしていません」と言う返事がくるようなパターン。

普通に考えれば、この人たちに対して事実を伝え、なぜそれができなかったのか、またこの後どのような改善を行っていくのかということを考えてもらうように促さなければいけません。

第三者である外部のセミナー講師がそのような指摘をする事は、かなり難しい部分があります。というのは、その指摘を受けた側からすると「この人たちは外から勝手にやってきて、自分たちの職場がどのぐらい忙しいのかも全く知らない状態でただただ注意をしてくる迷惑な人たち」というような印象を与えかねないからです。

これは、私たちがよくお伝えする『信頼貯金』の問題です。

一方で、内部の人たちがその注意を行えば、「私たちの状況を理解してくれている人が、それでもここに関して改善をすべきだ」と言っている状態になります。

このように、内部か外部かで受け手にとっては全く違った印象を与えるのですが、多くの事務局の人は、それらの指摘を自信を持って行うことがなかなかできません。(簡単ではないことは重々承知なのですが…)

事務局の人に意識をしてほしいこと

  • 自分自身が自走の見本を見せること

    • まずは、会社の中で1番強く意識を持ってこの会社を自走させようとする姿勢を見せることが大切。実際に自走できるかどうかは置いておいて、少なくともその姿勢や態度においては1番であることが重要。

  • 耳が痛い話を自分の口から伝えること

    • 誰しも「誰かに注意すること」はできればしたくない。その人から嫌われるかもとか、場の雰囲気を悪くしたくないとか様々思われるだろうと思います。 しかし、 正しいことは正しいと言わなければいけないし、間違っているところは改善してもらうことが必要です。そうすることで組織は少しずつ良くなっていく。ですので、その痛みを覚悟した上で、ご自身の口でそれを話すことができるようになっていただきたい。

  • 現場に行き、現場に寄り添うこと

    • 外部の講師にできない事は、活動している人たちの普段の様子を見ることや、その普段の様子に対してねぎらいや、感謝、賞賛を送ることです。外部の講師は、あくまでスポット的に現れる存在なので、普段の信頼貯金を作り出すには、あまりにも弱い存在です。 事務局の人たちは、できるだけ現場に足を運び、どういう状態なのかを理解してあげることに努めていただきたいです。

  • 現場を盛り上げるような企画とマイルストーンを決めていくこと

    • プロジェクトを進めていくために、例えば表彰式を用意したり、みんなでランチをする会を設けたり、定期的なチェックのようなマイルストーンとなる企画を作ることが大切です。 組織開発には必ず長期的な時間が必要ですが、中だるみをしないように、一定期間の短い間に、ちょっとしたイベントや、場を盛り上げるような企画と言うものをぜひ考えていきましょう。

【参考】
組織づくりのベースとなる知識・スキル・マインドについてはこちら

事務局の皆さまのお取り組みについてはこんなものがあります。


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