2020/03/10 ノールックマージ

昔の上司に久しぶりに会った。まあ久しぶりに会ったのもずいぶん前で、そのときのことを思い出して書いてるんだけど、とにかく久しぶりだった。

その人は3度目の「当たり」をやったあとで、会社を売却したっていう流れで採用拡大をしていて、って状況だったんで、チームの人数が増えてきて、レビューとかどうしてるんですかって聞いた。どこも一緒、レビューは手間暇かけて丁寧に、一個一個やっていくしかないよなって、ああだからここからは鈍足になるのかな、みたいな、そういう邪推をしながら。そしたら「レビューとかしないっすね」という。ex-GAFAの著名なエンジニアがいて、「基本ノールックマージっすよ」という。

もちろん基本的なソフトウェアアーキテクチャが固まってる状態で動作確認なんかはやる前提、っていうものの、見る人から見れば飛ぶ鳥を落とす勢いのベンチャーで「ノールックマージ」なんてフレーズ。まじっすか。ってたぶん言ったと思う、そのとき。

レビューを複数人でできるだけ丁寧にやる文化にしばらくどっぷりしていて、なんなら今でもそうなんだけど、時折このときのやりとりを思い出す。事業作るっていうのは別に丁寧にレビューすることでもない。

プロダクト・アウトカムという言葉がある。プロダクトとして結実した成果や結果、みたいなものを指すらしい。マイクロサービスアーキテクチャを検討するような組織では、このプロダクト・アウトカムの最大化を意図してアーキテクチャ分割などを行うことも多い。
強い組織でこのアウトカムに集中すると、エンジニアの集中力とリソースを奪っていくレビューという工程をすっ飛ばすという選択はあるのかもしれない、と思う。だいたい、1人開発なんていつもそんなものだ。

レビューはエンジニアとしては大事だし面白い工程だ。いいレビューは人を育てる。ただしなんでもかんでもレビューすればいいってものでもない気もする。このあたりは、別の組織体でまた遊んでみたいところだ。ノールックマージ文化ともまた異なる遊びをしたい。

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