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プランBのすすめ

 緊急事態宣言下で、私と同じような境遇にある仲間たちも、苦労しながらテレワークの毎日かと思います。休業要請を受けている方々もいるなかで、テレワークでも仕事が続けられることはありがたいと思います。そこで、この状況の中でも、しなやかにコミュニケーション施策を実践するためのヒントになればと思い「プランBのすすめ」を書いてみました。
 「プランB」とは、いわゆる代替え案のことです。つまり、順当に物事が進んでいれば想定通りのプランAでいいわけですが、そうではない場合、不測の事態が起こり、このまま立ち行かないなあと感じたときに、思い切ってプランを切り替える。そのための腹案がプランB。いざという時のために、ビジネスでは、最初からプランB、プランCを準備しておけよという話です。
さて、いまは世界中が「プランA」では、どうにも動かなくなっている状況ですから、全てにおいて、アタマを切り替えてプランB、プランCを実行していく局面と言えるでしょう。皆さんの周りでも、ライブもイベントも会議集会も、すべてが見送られている状況ですよね。
 ちなみに、私がこの状況を実感したのは、2月半ばだったでしょうか。3月1日の東京マラソンの一般ランナーの参加が見送りになったと聞いた時でした。以降、自分が関わる全ての仕事で、プランB、プランCを準備するように呼びかけてきました。そこからコロナウィスルの感染状況は悪化の一途ですね。しかし、私たちが、この状況でも事業や経済活動を止めることなく、進めていくためには「延期」「中止」だけではない、新しい発想と施策を講じる必要があるはずです。特に、私たちの仕事は、どんな状況下においても、柔軟にコミュニケーションを遂行することですから。このコロナ禍の最中であっても、コミュニケーションの専門家としてプランBを準備して、しなやかに実行しよう!と考えます。

 さて、そこで、私が考えるプランB策定のポイントです。コロナ禍のコミュニケーションで、まず、絶対に避けなければいけないことは、人と人との直接的な接触「密」です。つまり、〝フェイス・トゥ・フェイス〟、リアルな対面で行われるコミュニケーション。「人と人との近距離コミュニケーション」が不可です。現状では、生身の近距離のふれあいは、家族を中心にした限定的な人との接触に限られます。
 次に、大勢の人が集まる集会コミュニケーション「集」も難しいのが現状です。フェスやライブも厳しいです。自然の中で、人の密集がなければよいのではないかという意見もありますが、いまは、それでも人が集まるイベント催しは難しいでしょう。
 逆に、今回の緊急事態の下で、明らかになったことは、遠隔でのテレワークがかなり有効に活用できるということ。複数の人間が同時に参加する会議形式やリレー形式のイベントが十分に成立することがわかっています。
そこで、プランBの方向性としては、「密/近距離コミュニケーション」や「集/集会コミュニケーション」を避けて、代替えするプランをデジタル空間のなかで、いかに実現するかということになります。
 さらに、付け加えれば、多くの人の共感を得るためには、普段のセミナーやイベントをデジタル空間に置き換えるだけでは不十分ですね。いまのコロナ禍を踏まえた工夫が必要になってくるでしょう。
 テレワークでは、初対面でゼロからコミュニケーションを組み上げるのに時間がかかりますし、限界もあるでしょう。そこで、すでに人間関係が出来上がっている、旧知の仲間のネットワークを利用することは、有効です。
 また一度に多くの人が集まるイベントが難しい分、1回キリのイベントではなく、断続的に、継続していくこと。あるいは、多発的に複数のイベントが起こることを目指していきます。小さく点を始めて、線さらに面をつくっていくことです。

 デジタル空間でテレワークを続けていると、感情豊かな人間関係、「近距離」で「生身」のふれあいがとても大切だと実感しますね。自然の中で開放的な活動も必要です。敢えて言いますが、そういうに渇望感に、共感のチャンスが生まれます。刻々と変わるコロナ禍のなかで「残る枠組み」を模索する必要もあります。この事態が落ち着いた先には、近距離の人間同志のコミュニケーションの価値が大いに高まることでしょう。そういう日が必ずくるので、いまは、しぶとくプランBでいきましょう!

2020年4月
山田まさる

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