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ほとけさまのおしえ「今日一日の過ごし方」

 長年暮らしていると、いつの間にか「しなければならない」という感覚になっていくものです。

 例えば、「勉強や仕事」をしなくてはならないとか「家事育児」をしなくてはならないとか。

 それは「責任」もあるわけですし、「分担する」ことでありがたがられたり「社会的地位」が上がったりします。

 そういう生活の中では、何かすることがあるということ自体が、「素晴らしい」ことであり、「頼りにされている」ことであり、「認められていること」だと思ってしまいます。

 そして特に何もすることがなくても、無理矢理何かしらの「用事」を作り、それに向けて自分を「奮い立たせている」方も多いのではないでしょうか?

 そんな方が定年を迎え、子育ても一段落し、「さて私は今何をしなければならないのだろう?」と考えても「何をしたらいいのかわからない」ときは訪れるでしょう。

 そして自分が「必要とされていない」ことを悟り、「有用感」が薄れ、そして「フレイル」という「無気力状態」に陥ることはよくあることです。

 でもよく考えてみると、「何かしなければならない」と思っているからそう感じるのではないでしょうか?

 逆に何もすることがないときには「ぼっと」してみたり、「ゴロゴロ」してみたりしようとはなかなか思えないでしょう。

 今日一日をどう過ごすのか?

 その「真っ白な予定帳」を埋めることが幸せだと思っていると、なにもない一日は、空虚で寂しく感じられるものです。

 逆に「何もない時は何もしない」、これは「ほとけさまからの時間のプレゼントなんだな~!」と観ずれば、きっと何もしない一日も幸せに満ちていくのではと思っております。


☆今日の一句☆

 何もない
    一日ほとけの
         布施と知る

 

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