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ほとけさまのおしえ「満月」

 先ほど外に出て涼んでいると、それはそれはきれいな「満月」が夜空に浮かんておりました。

 今は夜も明るく、「テレビやスマホ」で何でも情報が手に入る時代です。

 でも便利になればなるほど、なぜか「俯向く」ことが増えてきているように感じます。

 思えば子どもの頃欲しかったものの一つに「天体望遠鏡」がありました。

 なかなか手に入れることができず、当時放映されていた「天才クイズ」の「秀才賞」(秀才賞の景品に天体望遠鏡が選べたのです。)目当てに本気で出場しようと試みたものです。

 そしてたとえ望遠鏡がなくても、じっと目を凝らしてクレーターや不可思議な模様を愛でたものです。

 満月を愛でる時、目で見えている姿だけではなく、心の中にそのものを満たして、その中に「浸かっている」ような気持ちになります。

 それはまるで月に降り立っているような心持ちでもあったのでしょう。

 そしてアポロ宇宙船はあの遠い月まで行けるのだと知り、大人になる頃には誰でも気軽に「月に行けるものだ」と信じておりました。

 あの頃から数十年が過ぎても、なお月は遠いままです。

 気軽には行けないけれども、「手が届くほど」近くにも感じることができるのはやはり満月の魅力なのでしょう。

 そしてちょうど「極楽世界」も月のようなものなのかもしれません。

 人生が暗闇の中にあっても、極楽世界は満月のように、ほんのりと「人の進むべき道」を指し示してくれているようにも思えます。

 そう思うと、遠いままの存在でも「十分ありがたいのかな〜」と一人感じ入っております。


☆今日の一句☆

 月の夜に
    浄土の明り
        感じられ

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