仏教に学ぶ生き方、考え方「サクラサク」
夏から秋に移り変わり、「朝夕」はめっきり寒くなってまいりました。
そして自坊の境内には「桜」の花が咲き始めました。
桜というと春に咲くものなのに「どうしてこの時期に?」と疑問に思う方も見えるでしょう。
実は、境内には一本だけ「四季桜」が植わっているのです。
四季桜は「秋から冬にかけて」花を咲かせます。
この花は花びらも大きめでしかも年始にかけて「三ヶ月ほど」咲き続けるのです。
二月には全部散ってしまいますが、また「四月」になるとはなが咲き始めます。
この花は、小ぶりで尖ったような花びらをしており、ひと月ほど咲きます。
つまり、四季桜は一年の「三分の一」の期間、花を楽しめるのです。
ところで「サクラサク」というと、試験に合格し春には入学が確約されるときに使う言葉です。
まさに「人生の春」に桜が咲くんですよね!
でも四季桜を見ていると、「人生の秋」にも「サクラサク」ことがあるのではないかと思っております。
それは自分の命が終わるとき、「必ず極楽に往生できることが約束されるとき」です。
これを「安心決定」(あんじんけつじょう)と言って、信心をいただいたときに起こるとされています。
今は人間界にいても来世は「必ず」極楽世界に行けると約束されれば、安心できますよね?
でもいざその時が来るまでできる限り人間界にとどまりたいと思うでしょう。
それは私たちの心に執着心という煩悩があるからだと言われております。
でもいざその時が来れば、私たちは極楽浄土に必ず生まれることができる。
それが浄土仏教の真意であり、親鸞聖人が生涯をかけて求められたものだと思うのです。
☆今日の一句☆
寒空に
向かいけなげに
サクラサク
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