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仏教に学ぶ生き方、考え方「忘れるということ」

 最近、よく忘れ物をします。

 先日は「和袈裟」(わげさ)をかけ忘れてお参りに行ってしまいましたし、昨日はたこ焼きチェーン店の「ポイントカード」を紛失してしまいました。

 ポイントがけっこう溜まっていたので、「かなり」落ち込みました。(こんなことで落ち込むなんてまだまだ小さいですが、、、)

 そうやって忘れることはなるべくなくそうと思いますが、実は仏教の教えでは「努めて忘れましょう」と言われているものがあります。

 それは「三輪空」(さんりんくう)と言って、布施をするときに渡すものや渡した相手のことを忘れましょうと言われているのです。

 なぜかというといつまでも覚えているとそれが「執着」に繋がり、「あのときあんなことをしてあげたのに」「恩を仇で返すなんて」と怒りや妬みの元になるからです。

 過去の記憶は、その時に刻まれたものと思いがちですが、実は「そうではない」ようです。

 例えば一年前の記憶を覚えているということは、この一年間の間に何度も思い返し、記憶をその都度「上書き」してきたものと言うわけです。

 なのでその時の記憶は、実は最近思い返した記憶を「その時の記憶」として留めているだけなのかもしれません。

 そう考えると、記憶を留めておくために、膨大な「今という時間」を要しているわけです。

 それを忘れることで、より今を楽しめるようにという教えは「仏教ならでは」ないかと思うのです。


☆今日の一句☆

 忘れても
    いいこと今を
         囚われて 

 

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