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等価交換
攻撃力が1の攻撃を1,000回受けた。
蓄積された1,000のダメージを一度で返した。
(というか、実際には600ぐらいだと思っている)
そうしたら、相手のHPが赤ゾーンになって、ぴこんぴこんと悲鳴にも似た声をあげた。
悲鳴が響くと、周りの人間がそちらを向いた。
相手が原因を指差した。
彼らの目線が一斉に僕を向いた。
目線のひとつひとつが、放射能のように僕を貫く。
無意識に繰り出される攻撃は、確実に僕を透過し蝕む。
1,000の攻撃を少しずつ与えた相手、1,000の攻撃を一度に与えた僕。
一度に返したから悪いのか?それとも偶然が重なって?
等価のはずなのに。いつしか世間(取るに足らない大きさの世界ではあるけどね)の風向きは逆風になっていた。
干渉出来ない風向きを変えるなんて無駄な努力はしない。台風にしたければ、すればいい。
真実は語った。
後は、風が吹いていないところを、ひとりで歩くよ。
お前はいつまでも赤ゲージにいとけばいい。
いくらでも指を差せばいい。
一つだけアドバイスをするなら、亀の甲羅でも背負って走り回ってる方がよっぽどマシだぞ。
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