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5%くらいで

今日もまた、5%に寄った。

5%ぐらいで酔ったらさ、5%ぐらいは信じてよ。

なんて、ほんとは酔ったらいけない5%に立ち寄る。

5%なんて

ほんの少しだと思うだろうけど。でも、そういう問題じゃない。

5%で踊って、疲れて、嫉妬して、でもじっとしてる。

じっとしてなきゃいけない理由が多すぎて

ただじっと見つめる。

僕にとってはこれはそれはただのトランジットなのかもしれないけど。

トランジットに気を取られて
トランペットを忘れる。

綺麗なのはどっちだ。

比べれば比べるほどに、君との小さな小さな、取るに足らない記憶が掘り起こされる。

昔から、音楽は苦手だったことを思い出した。
好きなのは好きだった。

もっとも、1番苦手だったのは美術だけどね。
けど、美術が苦手な僕でも、昔に一度だけ賞を取って、前橋市民会館に絵が飾られたことがある。

タイトルは

「たのしいきわたり」

今だったらすぐに撤去されてしまいそうな、そんな遊具が悠々と佇んでいた。

それに乗って遊ぶ自分を描いた絵で賞を取った。


自分なんていう、見えるはずがないものを描いて、見えてるものとした。
その時は、まだ僕の中で虹は4色だった。


さて、話が美術にトランジットしていた。

もういっそのこと、音楽と駆け落ちしてくれれば僕の5%は無くなるのに。

見えなくなれ。見れなくなれ。見えなくならないで。

なんとなく手を振っても、缶ビールの残りが情けない音をたてる。

そしてまた5%に酔う。


これはもしかしたら悪酔いなのかもしれないって思ったりもする。

だってもう僕の中では、虹は七色だしピストルで撃たれれば人は死ぬし、味の悪いフルーツを食べても腕は伸びないからね。


だけど、悪酔いしてるから、たぶん撃たれても死なないし、たぶん火だって吹ける。

たった5%に夢中になって

気付けば自分は霧中になった。

分かってはいるけれど

変われない明日を許しながら、なんとなく嘘をつく。

素直に正直に、なりきれない性格で、優しいんだねと、また嘘をつく。


だけどなんだか、この酔いを人に覚まされるのは嫌みたいだ。


悪くはないね。

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