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ユニット型だからってユニットケアとは限らない

※この記事は、以前に別のサイトにアップした記事を、そのサイトの閉鎖に伴って内容を編集し直してこちらにアップしたものです

ユニット型特養であることユニットケアをすること

ユニット型特養であることとユニットケアをすることについて、特にユニット型施設を運営されている管理者の皆さんや現場責任者の皆さんには、正しく理解をして現場とシェアしてほしいと思い、考え方を整理しました

特別養護老人ホーム(特養と省略することが多い)は、大きく従来型施設とユニット型施設に分類されます。従来型施設は、居室は4人部屋等の多床室、食事は大きな食堂でというハードを基本としており、ユニット型施設は、居室はすべて個室で、10人を一つのグループ(ユニットと呼ぶ)とし、そこにキッチンやくつろぐリビングのスペースが確保されているハードを持ちます。

それでは、現在の制度の中でどのように区別されているのでしょうか

※ユニット型ショートやユニット型老健の基準は以下をご覧ください

老人福祉法17条「施設整備及び運営に関する基準」

老人福祉法17条「施設整備及び運営に関する基準」には、従来型とニット型と施設形態ごとまとめて書かれておりますので、下記にわかりやすく比較できるよう、従来型施設(左)とユニット型施設(右)の基準を並べて表記しました。

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まず、従来型施設の基本方針では、「特別養護老人ホームは、入所者の…(中略)に置いて、入浴、排泄、食事等の介護、相談及び援助、社会生活上の…(中略)療養上の世話を行うことにより、入所者がその有する能力に応じ自立的な日常生活を営むことができるようにすることを目指すものでなければならない。」とあります

一方、ユニット型施設の基本方針では、「ユニット型特別養護老人ホームは、入居者一人一人の…(中略)入居前の居宅における生活と入居後の生活が連続したものとなるよう配慮しながら…(中略)自律的な日常生活を営むことを支援しなければならない。」とされています

ユニット型施設が制度化される前、従来型施設しか無い当時、入浴、排泄、食事等の介護等をすることが中心であった従来型施設が多い中、ケアのあり方や高齢者の住まいとしてのあり方を見直す取り組みが現場ではじまり、それがユニットケアという言葉を生み、国を動かすムーブメントにまで発展しました

従来型施設のハードの限界点

当時の従来型施設では、フロアの途中で生活単位を分けたり、廊下の一部をリビングやダイニングとして工夫したり、様々な試行錯誤が繰り返されていました。

ただ、ユニットケアを実践するには、どうしても従来型のハードではうまくいかないことも多かったため、制度化するに当たってハードの基準も見直されることになり、いわゆる個室で10人で…といういわゆるユニット型の建物の最低基準としてルールが定められました

そして、ユニット型施設では、入浴、排泄、食事等の介護等をベースにするのではなく、入居前の自宅での生活と入居後の生活が連続するように支援する、つまり暮らしの継続を大切にするユニットケアをすることが基本方針に掲載されました。

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使われる言葉にも大きな変化が…

また、ここで使用されている言葉にも大きな違いがあります。それは、“入所者”と“入居者”です

辞書を調べると、入所は、“研究所など、所と名のつくところに所員としてはいること。刑務所にはいること。”と書かれています。また入居は、“はいってそこに住むこと。住まいにはいる。”とあります

他にも、“自立”と“自律”です

同じように辞書を調べると、自立は、“他への従属から離れて独り立ちすること。他からの支配や助力を受けずに、存在すること。”と書かれております。わかりやすく言うと、“自分でする”というように解釈できます。もう一方の自律は、“他からの支配・制約などを受けずに、自分自身で立てた規範に従って行動すること。”とあります。わかりやすく言うと、“自分で決める”という解釈になるでしょうか

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このように、ユニット型施設が制度化された流れを考えても、基準省令の違いを見ても、同じ特養ですがユニット型施設は従来型施設と比べて、より住まいや人として暮らしを意識したものになっていることがわかります

解釈通知でハードとケアが明確に区別された

そして、解釈通知に「基準第33条(基本方針)は、ユニット型特別養護老人ホームがユニットケアを行うものであることを規定したものである。」とあるように、ユニット型施設であるということと、ユニットケアをするということは分けて考え、ユニット型施設でユニットケアをすることが、具体的にどうすることなのかを整理する必要があります

まずは、加齢や病気等により一人でできなくなった生活行為を自立支援だけでなく、プライバシーや尊厳を確保できる個室と住まいを意識した生活環境の中で、入居する前の自宅での暮らしを継続できるように、また入居者の皆さんがどうしたいか、どうしてほしいか、どう暮らしたいか等、入居者の皆さんが選択できる自律支援をすることを基本としたケア方針になるといいですね

様々な事情で、自宅で生活することが困難になった方々が、施設に入居しても自宅と変わらない暮らしが送れる、それがユニット型施設が目指す施設像です

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特別養護老人ホーム美里ヒルズについて

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