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#9 「3密」の回避と「三密」の実践

1.コロナ禍で言葉が「軽く」なった

本日、埼玉、千葉、神奈川、大阪の4府県に緊急事態宣言が発令され、発令中の東京都、沖縄県と合わせ、計6都府県に拡大されました。初めて緊急事態宣言が発令されてから1年5か月です。度重なる宣言のたびに、「緊急」「非常」徹底」「強化」「危機」といった言葉が、安易に繰り返して使われたことで、本来の意味での言葉が「軽く」なってしまったように思います。

一方、「3密」(「密集場所」「密閉空間」「密接場面」)は、昨年の流行語大賞にも選ばれました。マジックナンバーである「3」を使い、「注意すべき心得をまとめて表し、予防を喚起した」と選考委員の金田一秀穂氏が評価するコメント出しています。

「3密」を避けるー3つの密(「密集」「密閉」「密接」)を避けた行動をとることは、日常生活習慣として定着しましたが、その分、「”3密”=”忌避すべきもの”」といった言葉のイメージも定着したように思います。

2.コロナ禍での奇遇に感謝

いまだ、収束が見えないコロナ禍ですが、振り返ってみると「災厄」ばかりではないと感じています。特に自分の働き方や生き方、人との関係性を見直したり、コロナ前には、考えもしなかったことをやれている、のも事実です。

コロナがあったからこそ・・・という意味で言えば、昨年の宝塚の普光寺(真言宗大覚寺派)の瀧山瀧奨名誉住職との奇遇がありました。瀧山瀧奨名誉住職は、妻の中学2年時の担任の先生でしたが、ひょんなことで(詳細は省略)ある方を通じて、47年ぶりに親交が復活し、私も、瀧山名誉住職と、「文通」という形で、やり取りに加わりました。

檀家ではありませんが、毎月「普光寺だより」を送っていただくようになり、「普光寺だより」の中で、本来の意味での「三密」のお話を伺いました。丁度、「”3密”を回避」して、「その次どうする?(and then?)」、と悶々としていましたので、「三密」の本来の意味を知ったことで、目から鱗が落ちた思いでした。

▼「密」とは弘法大師(空海:774-835)が唐から伝えた密教の「密」を指し、「仏と一体となる修行」を意味すること。

▼仏は「身、口、意」で構成されており、「三密」とは、①身密(しんみつ)、②口密(くみつ)、③意密(いみつ)を言うこと。        ①身密:身体や行動を整える 
②口密:言葉や発言を正しいものにする 
③意密:そうすれば、おのずと心や考えも整う

3.再度の「緊急事態宣言」下で実践したい「三密」

なかなか出口が見えない中で、言葉としての「緊急」が軽くなってしまっていることは、否めませんが、1回目の緊急事態宣言の日に、さだまさしさんが自作の「緊急事態宣言の夜に」を歌ってYouTubeで呼びかけた時のことを、改めて思い起こました。もう一度、自分の中で、態勢を整えなおそうと思います。

歌詞にある「お前のお袋死なせたくないんだ」・・・人が感染して死ぬ病気であることに思いを致し、「”3密”を回避」し、「三密」を実践。

コロナ禍が長期化する中で閉塞感が漂い、行動や言動の乱れが、心の乱れにもつながっているのではないでしょうか。人のせいにせずに、まず自分ができることをやって行く。

コロナ禍はまだ続きそうですが、1200年前から生き続ける天才空海の教え、本当の「三密」を実践して行きませんか?

#三密

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