オンラインで喋るための「いい環境」とは

ヤフーアナウンス部の高橋です。
二月ごろからぼちぼち始まった「無観客オンライン」のプレゼン中継。
先月は社内だけで一気に二桁数の開催となりました。

オンラインでカメラに向かって話すとなると、普段お話のうまい登壇者も途端にやりづらそうになります。彼らが終わった後に呟くことをききながら、ちょっとした改善を加えつつ、どうしたらオンラインで喋りやすい環境が作れるのか自分なりに考えてきたので、ざっとまとめてみました。
なお、先に言っておくと、ポイントは①視線と②ハンドサイン(ジェスチャー)、そして③テンション(精神的盛り上がり)をどうするか。ライブでのプレゼンができる人に対しては、この3点を意識してあげると質が良くなる印象があります。

◾️パターン1 ノートパソコン編
ノートパソコンの付属カメラで話す場合、ほぼリアルタイムに自分の喋る顔を見ながら話すことになり、かつ「パソコンカメラってこんなもんだよね」の撮影角度になる(近くてちょっとあおり気味)。
1)視線:「画面を見ている=カメラ正面を見ている状況」になるので、カメラ目線をキープしやすい
2)ハンドサイン:カメラで捉えられる範囲が広くないので、はみ出しがち。「資料のここが」で資料を指差すアクションが困難。マウスポインタでもできるけど、その設定にしてない人もいる。
3)テンション:一人なので下がりがち、と思いきや、カメラとの距離が近いこともあってか、カジュアルになりがちなのであまりテンション下がらずに話せている人が多いです。
4)演出:背景画像を変える。くらいしか今のところない気がします。私は背景を去年の桜の画像にして華やかさを出しています。

◾️パターン2 ビデオカメラ編
パソコン付属カメラでなく、ビデオカメラ&三脚を用意して講演する形式は、画面の作りは見やすくなる一方で、自分が今どう見えているかのフィードバックをどう確認するかでパフォーマンスが変わってきます。
フィードバック用の画面は登壇者に見せてあげていた方がいいです。映ってるかどうかわからないと自信なさげになっていくので。
1)視線:カメラ目線が欲しいところですが、フィードバック画面(自分の映っている画面)やら資料画面やらがカメラの下にあったり横にあったりすることで、視線がちょいちょいその画面に移ります。話者は意識してカメラ目線にしないと「こっち見てくれてない」「暗い」という印象になりがち。でも資料とカメラを行ったり来たりしすぎると目が泳いでいるように見えます。解決方法としては、急いで行ったり来たりするのではなく、資料とカメラを視線移動する際に全体を見ながらゆったりと動かすと、泳いでる感はなくなるかも。(スタジオ内を見回しているように見える)
2)ハンドサイン:カメラをバストアップまで寄せてしまうとハンドサインがはみ出しがち。少し引いて腰から上くらいまで入れるようにすると、手の動きをしっかり入れられます。後、立ち位置を決めて、話者にできるだけ上半身を揺らさないで、と言わないと、画面を固定しているので揺れが目立ちます。
3)テンション:カメラ&三脚が立つだけで、途端に「カメラに向かって喋る感」が高まるのか、緊張する人が多いです。緊張そんなにしない人でも、本当にやりづらそう。なので、もしカメラマンがいてあげられるなら、カメラの後ろで「観客」としてうなづいてあげるとかすると、目線も表情も柔らかくなります。カメラマンがいないときは、とにかくカメラに向かって話すのではなく、カメラを人だと思って語りかけてあげるようにしてください。
4)演出:ビデオカメラの映像と、資料の画面を、どうブレンドして映すかが考え所。全画面の切り替えしかできないなら、基本は資料をしっかり見せて、あまり資料の量がない一人語りのところだけ話者を映すといいでしょう。画面の中を分割できるなら、分割して狭くなっている分、どこまで自分が映っているか意識しないと画面からはみ出したりします。

◾️パターン3 複数台のビデオカメラ編
2の応用です。
複数の登壇者が同時に登壇するないしは登壇者の入れ替えがある場合は、「喋っている登壇者に寄る」1台と、「全景を入れる」1台など、役割を持たせた画面を作るカメラを用意すると、画面の切り替え時にもスムーズに繋げられます。
ただ、複数カメラがあると、どれを見ていいかわからなくなるかもしれないので、カメラ目線で喋るときはこっちのカメラを見てね、と明確に言っておきましょう。

最後に、スタジオ内の空気感をスタッフがどう作るかという話。
ビデオカメラが入った途端に、「ちゃんとやらないといけないんじゃないか」感が高まり、みなさん固くなって控えている時間までシーンとしがちです。バラエティ番組でスタッフの笑いが入ったり、盛り上げられる方がMCをやるのが多いのは、ほっておくとスタジオの収録は空気がどんどん固くなっちゃうからなんだなあと実感した次第です。
スタッフが現場にいるなら、ぜひ登壇者の語りに反応してあげてください。無対象で喋るのは、経験を積まないとなかなか難しいですから。

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