見出し画像

パリでの危機

日本でももちろん危ない経験はすることがあります。例えば僕は中学生のとき、電車の中で喧嘩に巻き込まれ殴られ眼鏡が吹っ飛んだりしました。

まあ、そういうこともありますが、パリではもっとも本質的に「ヤバイ」ことに巻き込まれることがありますね。身から出たサビというところもありますけどね。

というわけで僕がパリで経験したヤバイ経験トップ3を挙げてみたいと思います。

3位 同じ顔の7人に囲まれる!

2位 高速道路上で事故!

1位 最悪のホテル!

3位 同じ顔の7人に囲まれる!

パリのメトロは次のようになっています。

地図が少し小さくて見えづらいと思います。すみません。

はい、注目してほしいのは、2番線(青)と6番線(薄緑)です。東のNationと西のCharles de Gaulle Étoileで乗り換えができますが、2番線は北の方を走り、6番線は南の方を走ります。もともと環状線にする予定だったが、6番線の穏やかな治安の良い地区と、2番線の危険な地区を同じ路線にするなんてとんでもない、という理由で二つの線になったのだ、という噂があります。実際に環状になっているのはすぐにわかりますから、そう覚えておくと便利です。

2番線の駅でも特にヤバイとされるのが、Gare de Nord(北駅)とつながっているLa ChapelleからPlace de Clichyです。Gare de Nordはパリの玄関口であって、ロンドンやベルギーやドイツに行く国際線も出ている最も大きい鉄道の駅なのにもかかわらず、治安は最悪です。Place de Clichy(プラス・ドゥ・クリシー)はムーランルージュもある賑やかな街ですが、言ってしまえば風俗街でもあります。そして、その中間にあるBarbès Rochechouard(バルべス・ロシュショアール)は言いにくい駅名ですが、そんなことよりとにかく治安が悪いことで有名でフランス人に「バルベスで怖い目に合った」と言ったら、「そりゃバルベスだもんね。普通は近寄らないよ」と言われるようなところです。とはいえ、そのすぐ近くは服飾関係のお店が充実していて、生地・ボタン・糸・刺繍などが豊富にあって、最高に楽しい地区でもあります。

なお、駅は西から

Place de Clichy
Blanche
Pigalle
Anvers
Barbès Rochechouard
La Chapelle
Stalingrad

ある日、2番線に乗っていたら、Anversで電車が止まって、降りろ、というのです。Stalingradから5番線に乗り換えるつもりだったので、ここから歩けばいいかと思って素直におりました。ちなみにパリのメトロの一駅は800mですから、歩いても2.4kmです。簡単に25分もあれば歩ける距離です。

さて、Anversで降りて歩くと、だんだん人が増えてきます。そして、警察の姿が多く見えて、ついには人混みで身動きが取れなくなりました。そして、みんなで大騒ぎしています。

2番線のこの区域は地上線なのですが、その高架から飛び降り自殺をしようとしている人がいるではありませんか!

警察と消防隊は説得と、落ちたときのガードをしようと必死です。しかし、ここの地域は治安が最悪のところ。なんと、男が身体を揺らすと、「早く飛べー!」「なにやってんだー!」「いけーいけー!」などと怒号が飛び交います。最悪です。

そして、みんなで撮影し、もうお祭り騒ぎです。ここを突っ切ろうとしたのですが、突っ切ることはできませんでした。そして、ふと見ると、腰にかけていたサングラスが無くなっているではありませんか!

近くを見渡してもありません。やられました。人混みに乗じて掏(す)られたのです。

そして、きょろきょろしているうちに人に押され、態勢を立て直すのも困難に。もう怖くなって元来た道を引き返そうとすると、なんとそこには・・・

全く同じ顔の7人の男が立っていました。

いやいやいやいや・・・同じ顔すぎるでしょ・・・。

全く同じ髪型、身長の7人の中東系の男は私に何語かもわからない不明なつぶやき声をあげながら包囲網を狭めてきます。後ろは人混みの壁。前は同じ顔の7人の男。

頭のなかは、同じ顔だ!やばい!同じ顔だ!ばっかりでパニックです。

そして、ついに襲われる、と思ったときに、低い体勢で男と男の間の一番広そうな隙間をタックルして逃げました。人混みのなかですから、大きい事件にはならないでしょうし。

非常に怖い体験でした。同じ顔でしたし。


2位 高速道路上で事故

パリは円形の街並みをしています。2番線と6番線の環状鉄道より大きい円を3aトラムと3bトラムが走っていて(まだ工事中で、いずれ環状になるとか)、それより大きい円をペリフェリックという高速道路(制限速度70km/h)が走っていて、それより少し大きい円がパリの端です。そのペリフェリックは非常に便利で、一周するのも40分くらいですし、パリの端のほうに目的地があって、車やバイクで移動するのなら一瞬です。

ここから先は

3,223字

¥ 100

期間限定 PayPay支払いすると抽選でお得に!

記事のお読みいただきありがとうございます。 即興演奏を通した様々な活動と、これからの執筆活動のために、サポートしていただけたら幸いです。