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押さえておきたいお金の知識 その2

2022/4/9の日経プラス1で特集されていました『10代で学びたいお金の知識』について、別に10代でなくても必要な知識だなと思いましたので、私の感想も含め今回の特集記事としてみました。私にも娘息子がおりまして、そろそろお金の勉強をさせないといけないなと思い始めているところです。
お金が重要ということは誰しもが同意することだと思いますが、一方で文部科学省の方針から、お金に関する教育は学校では行わないという不思議な日本の環境があります。多分源泉徴収でいくら取られているか分かって欲しくないという戦時中からの悪巧みが残っている気がしますが、自分に必要な知識であれば学ぶべきです。今週は6位から10位を特集します。前回の1位から5位を押さえた上で、ぜひ以下の5項目も興味関心を持つようにしましょう。
 
<6位 健康保険>
日本はすべての人が加入する国民皆保険で、健康保険証を提示し、一部負担金を払えば医療サービスが受けられます。健康保険は会社員か自営業かによって保険料や自己負担額が異なります。毎月の医療費負担額に上限を設け超えた分を払い戻す高額療養費制度を知っていれば、民間医療保険に必要以上に加入しすぎるのは防げます。

→民間保険でよく『1日1万円もらえます』の医療保険が売られているかと思いますが、高額療養費制度を適用した場合に、もらえるケースは非常に限られるのが分かります。入院を伴う大きな怪我、病気は高額療養費制度で月10万までで抑えられます。そうなるとこの保険に入るべき人は、20万円を払えない人ぐらいしかメリットがないことが分かります。保険料との見合いで考えた時に私はこの保険に入るのを止めました。

<7位 インフレ、デフレ>
物価が上がる状態をインフレ、下がる状態をデフレと呼びます。お金に着目すると、より多く払わないとものが買えなくなるインフレではお金の価値は下がり、逆にデフレではお金の価値が上がります。堅実に貯蓄しても、その間にインフレが進めば蓄えたお金は実質的に目減りします。資産運用を考える上でも、まずお金の価値が変動することを理解できないと様々な場面で損失を被る可能性があります。

→私も人生のほとんどをデフレ下の日本で過ごしているため、物価が上がらないということに慣れておりますが、正しい経済循環の中ではインフレが発生するのが正常です。物価が上がり、企業が収益を稼ぎ、賃金も上がり設備投資も実施していく。これが本来あるべき経済の姿です。今の日本のインフレは残念ながら原油高、円安の輸入コストの上昇によるインフレのため、賃上げまでお金が回るかは微妙な状況です。2020年代こそはあるべき経済循環に日本も戻ってほしいです。

<8位 給与明細>
給与明細には税金や社会保険料が記載されており、社会人になったら何を負担しなければならないのかを一覧できるとても良い教材です。皆様ご承知の通り、額面と手取りは税金や社会保険料の源泉徴収の結果、大きく異なります。

→最近はペーパーレス化の名の下に給与明細が電子化されている企業も多いことと思います。電子化するとほぼ全く見なくなってしまうのが人の性です。しかし、皆様が稼いだお金がどれだけで、いかに多額の税金、社保を支払っているのかを直視しない限りはキャッシュ・フローの改善は見込めません。給与明細は税金、社保を自分ごととして感じる最も良い教材だと思いますので、ぜひ定期的に確認しましょう。そしてどうやったら自分の手取りはもっと増えるのかを考えてみましょう。勉強するのに一番大切なことはいかに『当事者意識を持つか』だと思います。

<9位 リボ払い>
クレジットカード支払いのうち、毎月の支払い額を固定し手数料とともに払うのが一般的なリボ払いです。手元にお金がなくても高額品が手に入りますが、年15%ほどの手数料がかかります。リボ払いは借金の一形態と理解すべきで、実質的な借金を借金と呼んでいないことが適切な理解を妨げています。

→消費者金融でお金を借りることに抵抗がある人が、普通にクレジットカードのリボ払いをすることに非常に違和感を覚えます。やっていることは一緒です。名前が消費者金融かリボ払いかの違いだけで、借金であることも金利が高いことも変わりません。
私は一度も利用したことがありませんが、将来子供たちに『リボ払いするならパパが年利14%で貸してあげるよ』と教育しようかと思っております。預金利息がほぼ0%の時代に15%で借入をすることがいかにおかしいか、という感覚を持つことが金融リテラシーの第1歩かもしれません。

<10位 長期分散投資>
若い世代はついリスクの高い投機的な運用へ目が行きがちですが、まず資産運用の基本として長期分散投資をすることが必要です。長期にわたってタイミングを分けて一定額ずつ投資します。また限られた投資対象へ資金を集中せず、株式や債券などの金融商品や投資地域もバランスよく分けることがポイントになります。若い時からできれば運用する期間が長くなり、資産形成に有利に働きます。

→投資のコアサテライト戦略を考えた際に、コア中のコアとなるインデックスによる長期分散投資が挙げられます。世界最大の年金運用機関GPIFもこの長期分散投資です。
投資を始めたいと考えられている方、まずはこの長期分散投資から始めることをオススメします。若い人であれば40年毎月少額でも投資し続ければ老後の資金に困ることはありません。全然面白みはありませんが、理論的に勝てる投資方法は他にないです。


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