燃料移動の禁止命令
柏崎刈羽原発で起きた核物質防護規定違反について、原子力規制委員会が2021年4月14日に東京電力に命じた核燃料物質の移動禁止命令は、次のようなものだ。
「東電はやはり東電」
つまり、第1区分に変更されれば、禁止命令は解除される。そのための追加検査や再確認を行なっている最中に、福島第一原発で立て続けに被ばく事件が起きた。2023年12月20日の原子力規制委員会では、伴信彦委員が次のように述べた。
柏崎刈羽の保安規定第2条は、福島第一原発の廃炉を安全にやり遂げるという小早川社長の2017年回答が反映されている。では、運転禁止命令解除の条件はクリアできたと言えるのか?とてもそうは思えない。
福島第一原発から垂れ流される情報がコロコロ変わることに付き合わされてきた身としては納得がいかない。2023年12月20日の原子力規制委員会後の委員長会見で、そうは思えない根拠をぶつけて問い続けた。若干、端折りながら、他の記者さんの質問も抜粋しながら、小見出しをつけて記録しておく。
「正確な情報発信」を確認対象から外すことの見直しについて
広報の問題に矮小化
再稼働と事故処理、両立できるのか?
来週(12月27日)の決定とは?
1Fの軽微な実施計画違反は14件でとどまっていないこと
放射線管理員が機能できていないことが報告から抜けていること
「大きなトラブルは小さなトラブルがいっぱい起きるから起きる」
ループしてしまうが、柏崎刈羽原発で起きたID不正事件は、まさに「四半期に一度、各発電所であったトラブル」であり、「報告を受ける」べきことだった。ところが、事件を知っていた原子力規制庁自身が、四半期に一度の報告で報告せずにいたところ(既報)から、始まった事件だということを山中委員長はすっかりもう忘れてしまっているようなのだ。
【タイトル写真】
山中伸介原子力規制委員長 2023年12月20日会見にて筆者撮影。