福島第一原発で18人の外国人が働いている
2024年12月5日、東電会見前でデモが行われていた。聞けば、東電社員のIDを持ち、東電の制服を着て仕事をしている東電の子会社の労働者が、労働条件の改善を求めたら雇い止めになった件だという。
この日の福島第一原発(1F)会見の終わりに、この労働争議の相手方になっている者は、1Fで仕事を請けているかを後で教えていただきたいと聞くと、総務課に聞いてくれとなった。答えがすぐに返って来ないついで(と言っては失礼だが)、以前から、確認しておこうと思っていた件を尋ねた。
1Fで働いている外国人は?
2018年、除染作業をさせられていた外国人技能実習生がいたことが発覚した後、除染作業は、本国で活用できる業務ではなく、技能実習制度にそぐわないとして法務省、厚労省、外国人技能実習機構が共同で禁止した(技能実習制度における除染等業務について )。
・技能実習生は1Fで働くことも禁止したんでしたっけ?
・技能実習生以外の外国人で働いている人はいますか?
技能実習❌、特定技能❌、それ以外の外国人⭕️で18人
12月19日、回答をもらった。「12月13日現在で」という東電の回答と、行政文書を一緒に整理をすると以下の通りだ。
1Fにおける技能実習生の就労は禁止している。
1Fにおける特定技能外国人の就労は、当面、行っていない。
それ以外で、1Fで働いている外国人は18人いる。
2019年5月21日、厚労省は、新たに作った在留資格「特定技能」外国人については、1Fで働かせることに慎重な検討を行うように求めた(東京電力福島第一原子力発電所における外国人労働者に対する労働安全衛生の確保の徹底について )。
これに、東京電力は同22日、次のような報告を行った(太字は筆者)。
つまり、言葉の壁などを理由として、特定技能外国人労働者は就労させないが、それ以外の外国人は就労が可能な状態だ。「特定技能外国人労働者」と「それ以外の外国人労働者」の差はなんだろうか。
【タイトル写真】
2024年12月5日、東電本社前で筆者撮影