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(1分読み)ユニバーサルデザイン(UD)の教科書97 認知バイアスの知恵と判断

認知バイアスの知恵と判断

認知バイアスとは
認知バイアスとは、私たちが意思決定をするときに、先入観や経験則、直感などに頼って非合理的な判断をしてしまう心理傾向のことです。

認知バイアスの提唱者
エイモス・トベルスキー、ダニエル・カーネマン:アメリカの心理学者。プロスペクト理論を提唱し、ノーベル経済学賞を受賞。

トベルスキーとカーネマンは、人間の意思決定は、合理的選択理論とは異なった方法で行われていることを実験によって示しました。彼らの実験結果に基づき、認知バイアスは、人間の意思決定に大きな影響を与えることが明らかになりました。

学問分野
認知バイアスの研究は、認知心理学行動経済学などの学問分野で行われています。

認知心理学は、人間の認知機能の研究を行う学問分野であり、認知バイアスは、人間の認知機能の限界を示すものとして研究されています。

行動経済学は、人間の行動と経済学を結びつけて研究する学問分野であり、認知バイアスは、人間の行動に影響を与える要因として研究されています。

応用分野
近年では、認知バイアスの研究が急速に進展しており、さまざまな分野で応用されています。

たとえば、マーケティングや広告では、認知バイアスを理解することで、より効果的なマーケティングや広告を行うことが可能になっています。

また、教育や医療などの分野では、認知バイアスの影響を理解することで、より効果的な教育や医療を行うことが可能になっています。

身近な影響
認知バイアスは、私たちの日常生活のあらゆる場面で影響を及ぼしています。たとえば、

* テレビや新聞で報道されている情報を鵜呑みにしてしまう
* 自分の意見と異なる意見を排除してしまう
* 新しいことに挑戦することをためらってしまう

などの行動は、認知バイアスの影響によって引き起こされている可能性があります。

認知バイアスの種類
認知バイアスには、さまざまな種類があります。ここでは、代表的な認知バイアスのいくつかを解説します。

①確証バイアス:
自分に都合のいい情報ばかりを集めて、自分の信念を強化してしまう傾向

②正常性バイアス:
自分たちの周囲の状況が正常だと過信してしまう傾向

③自己奉仕バイアス:
自分の成功は自分の努力によるものだと思い込み、失敗は外的要因によるものだと思い込む傾向

④後知恵バイアス:
事後的に起こった出来事を、事前に予測できていたように思い込んでしまう傾向

⑤社会的望ましさバイアス:
自分を良い印象に見せたいという欲求から、自分の本当の考えや感情を隠して、社会的に望ましい回答をしてしまうというバイアス

⑥バンドワゴン効果:
多くの人が支持しているものほど、自分も支持したくなる傾向

⑦コンコルド効果:
複数の選択肢の中から、最も中間の選択肢を選ぶ傾向

⑧アンカリング効果:
最初に提示された情報に影響されて、その後の判断が歪んでしまう傾向

⑨ハロー効果:
ある人の特定の特徴に影響されて、その人の全体像を誤って判断してしまう傾向


人への影響
認知バイアスには、人にもたらす良い影響と悪い影響があります。
良い影響
* 迅速な意思決定を可能にする
* リスクを回避する
* 社会的規範を維持する
悪い影響
* 偏った判断をしてしまう
* 機会損失につながる
* 差別や偏見を助長する

認知バイアスは、人間の認知機能の一部であり、完全に排除することはできません。

しかし、認知バイアスの影響を理解することで、より合理的な判断を下すためのヒントを得ることができます。

また、認知バイアスを応用することで、より効果的なマーケティングや広告を行うことも可能です。

認知バイアスの知恵を活かす
認知バイアスの知恵を活かすためには、以下の3つのポイントを押さえることが重要です。

1. 認知バイアスの存在を認識する
まずは、認知バイアスの存在を認識することが重要です。認知バイアスの影響を理解することで、自分の判断に偏りがないかを客観的に判断することができます。

2. 多角的な視点を持つ
物事を判断する際には、さまざまな視点から情報を収集するようにしましょう。そうすることで、自分の偏った判断を修正することができます。

3. 反対意見にも耳を傾ける
自分の意見と異なる意見にも耳を傾けることも重要です。そうすることで、自分の思考の限界を認識することができます。

認知バイアスは、私たちの日常生活に深く関わっているものです。

認知バイアスの知恵を活かすことで、より合理的な判断を下し、より豊かな人生を送ることができるでしょう。


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m.m

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