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(1分読み)ユニバーサルデザイン(UD)の教科書180 火災発生!初動の味方:消火器の使い方や歴史、障害ある方の対策

火災発生!初動の味方:消火器の使い方や歴史、障害ある方の対策

はじめに

火災は、一瞬の油断で命や財産を奪ってしまう恐ろしい災害です。

そんな火災の拡大を防ぐために欠かせないのが、消火器です。

しかし、いざという時に使い方を覚えていないと、せっかくの消火器も宝の持ち腐れとなってしまいます。

そこで今回は、消火器の使い方や置き場所、メンテナンスの時期、そして日本と海外における消火器の歴史について、より詳細に解説します。

※参考情報であり、実際の消火器の使い方や設置場所、メンテナンス時期などは、消防署や専門業者に相談することをおすすめします。

Fire started in kitchen stove and microwave!
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❶-1 消火器の正しい使い方


ステップ1:安全ピンを抜く
消火器本体上部にある黄色い安全ピンを引き抜き、ホースをまっすぐに伸ばします。

ステップ2:ホースを向ける
ホースの先端を火元に向け、炎ではなく火元を狙います。

ステップ3:レバーを握る
レバーを強く握り、消火剤を放射します。

ステップ4:火の根元を狙って放射する
火の根元をねらい、手前から奥に向かって、ほうきで掃くように薬剤を放射します。

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★消火器の取扱説明動画はコチラ↓
https://youtube.com/watch?v=FJQPnNh88n8&feature=shared

❶- 2 家庭での置き場所


設置場所の条件
* 家族全員が取り出しやすい場所
* 室温が0~40℃の範囲
* 直射日光や雨、風などの影響を受けない場所
* 消火器本体が倒れないように安定した場所

具体的な設置場所
・玄関の付近
・台所の付近
・階段の踊り場
・各部屋の入り口付近

❶- 3 メンテナンスの時期

定期点検
・月1回:
消火器本体に異常がないか確認する
・年1回:
専門業者による点検を受ける

使用期限
消火器の種類によって異なるが、一般的には5~10年程度

❶- 4 消火器の種類と特徴

種類
・粉末消火器:最も一般的で、A類(普通火災)、B類(油脂火災)、C類(電気火災)の消火に有効
・泡消火器:B類(油脂火災)の消火に特に有効
・水消火器:A類(普通火災)の消火に有効
・二酸化炭素消火器:C類(電気火災)の消火に特に有効

特徴
・消火器の種類によって、それぞれ得意な火災と苦手な火災があります。
・家庭用消火器としては、A類、B類、C類の火災をすべて消火できる粉末消火器がおすすめです。

❶- 5 消火器を使う際の注意点

・風向きに注意して消火剤を放射する。
・消火器は火災の初期消火にのみ有効であり、火災が大きくなった場合は消防署に通報する。
・消火器を使った後は、専門業者に点検してもらう。

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❷-1 日本における消火器の歴史

江戸時代
・火消し用の「水吐き」と呼ばれる消火器具が開発される。
・水吐きは、竹筒に水を入れ、ポンプで噴射する仕組みの消火器具でした。

明治時代
・西洋式の消火器が導入される。
・西洋式の消火器は、化学薬剤を噴射して火を消す仕組みの消火器でした。

1907年
・東京市で初めて「消火器設置令」が制定される。
・消火器設置令は、一定規模以上の建物に消火器の設置を義務付ける法律でした。

1947年
・消防法が施行され、消火器の設置義務が全国に拡大される。
・消防法は、すべての建物に消火器の設置を義務付ける法律でした。

1960年代
・家庭用消火器の普及が進む。
・1960年代には、家庭用消火器が安価になり、一般家庭にも普及し始めました。

1983年
・高層建築物における消火器の設置基準が強化される。
・高層建築物では、火災が発生した際に迅速な消火活動を行うために、より多くの消火器を設置することが義務付けられました。

2007年
・住宅用消火器の性能基準が改正される。
・住宅用消火器の性能基準が改正され、より消火能力の高い消火器が求められるようになりました。

Fire started from TV!
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❷-2 海外における消火器の歴史


17世紀
・イギリスで発明される。
・最初の消火器は、水と硫酸を混ぜて化学反応を起こし、発生したガスで火を消す仕組みの消火器でした。

19世紀
・アメリカで様々な種類の消火器が開発される。
・19世紀には、泡消火器や二酸化炭素消火器など、様々な種類の消火器が開発されました。

20世紀
・消火器の性能が向上し、世界中で普及する。
・20世紀には、消火器の性能が大幅に向上し、世界中で広く普及するようになりました。

消火器は、火災の初期消火に効果的な消防設備です。

しかし、近年では家庭火災の死者数が減少傾向にあるため、消火器の重要性が軽視されがちです。

しかし、火災はいつどこで起こるかわかりません。

日頃から消火器の使い方を学び、適切な場所に設置し、定期的にメンテナンスを行うことで、いざという時に備えましょう。

また、消火器の歴史を振り返ることで、人々の火災に対する意識の変化や、消火技術の進歩を理解することができます。

消火器は単なる道具ではありません。それは、人命と財産を守るための大切な存在であり、私たちの安全を守るために欠かせない存在なのです。

Fire started in bedroom curtains!
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参考文献
・消防庁:
https://www.fdma.go.jp/
・東京消防庁:
https://www.tfd.metro.tokyo.lg.jp/
・一般社団法人日本消防設備協会:
https://www.jfa.or.jp/

❸ 視覚障害者(目が見えない・見えづらい方)や車椅子利用者(移動しづらい方)の場合
火災に遭遇した場合、自力で消火することには限界があります。

Fire breaks out! First, a visually impaired person trying to get away from the fire.
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視覚障害者の場合

1.火元の特定が難しい
視覚障害者は火の位置や火の広がりを視覚的に確認できないため、正確に火元を特定して消火するのが困難です。

2.煙による影響
煙が発生すると呼吸が困難になり、逃げることが優先されるべき状況が多いです。

車椅子利用者の場合

1.消火器へのアクセスが難しい
車椅子利用者は高い場所に置かれた消火器にアクセスするのが難しく、また消火器自体が重い場合、操作が難しいです。

2.移動の制約
火元に近づくためのスムーズな移動が制約されることが多く、狭い通路や段差があると迅速な行動が難しいです。

現実的な対策
そのため、以下の現実的な対策が推奨されます。

1.避難ルートをバリアフリー化する
・家の中の家具の配置を一定に保ち、避難ルートを覚えやすくする。
・避難ルートに障害物を置かないようにする。
・家の中や外にある段差をスロープに変更し、スムーズな避難ができるようにする。
・ドアの幅を広げるなどして、車椅子でも通りやすい環境を整える。

事前の練習
定期的に避難訓練を行い、火災時の動作を身体に覚えさせる。

2.防火対策を強化する
家の中の防火対策を強化し、火災が発生しにくい環境を作る。例えば、火の取り扱いに注意し、煙草やキャンドルの使用を控える。

3.近隣住民や家族、消防署と連携する
・近隣住民や家族と連携し、緊急時に助けを求められる体制を整えておくことが重要です。火災が発生した際に、すぐに助けを呼べるようなシステムを構築します。
・地元の消防署に障害の状況を事前に知らせ、緊急時の対応方法について相談しておく。

4.緊急連絡手段を確保する
緊急通報ボタンやアプリを活用し、迅速に消防署に連絡できるようにする。

5.技術を活用する
・音声や振動で警告を伝える火災警報器や、スマートホーム技術を活用して遠隔で助けを呼ぶシステムを導入する。
・自動消火装置の設置も考慮する。例えば、キッチンに自動消火装置を取り付けることで、火災の初期段階で消火できるようにする。

視覚障害者や車椅子利用者が火災に遭遇した際、早期避難と外部からの支援を重視することが最も重要です。

安全な避難経路の確保と定期的な訓練を行い、火災発生時には迅速に避難できるように備えておくことが推奨されます。

また、上記対策は、障害の有無を問わず、普遍的な対策と言えるでしょう。

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m.m

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