ユニバーサルデザインの強化書166 新紙幣(2024年7月3日発行開始!)
新紙幣(2024年7月3日発行開始!)
日本の紙幣のデザイン変更は、2004年以来の20年ぶり。偽造防止の強化と、誰でも利用しやすい「ユニバーサルデザイン」の導入が目的に、刷新されます。
このコラムでは、新紙幣の「ユニバーサルデザイン」を紹介します。
(1)識別マーク
▶︎見えない人も触ってわかる
指で触って券種を識別できるマーク。現行の日本銀行券よりも触った際に分かりやすい形(11本の斜線)に統一し、券種毎に位置を変えることで券種を識別しやすくしています。
(2)額面数字の大型化
▶︎外国人にもわかりやすい
表裏の額面数字(アラビア数字)を現行の日本銀行券よりも大きくして、券種を識別しやすくしています。
(3)ホログラム・すき入れの形・配置
▶︎違いが見てわかりやすい
ホログラムとすき入れの形や配置を券種毎に変えることで、券種を識別しやすくしています。
※参照:日本銀行ホームページ
(参照)
あらためてロナルド・メイスが提唱したユニバーサルデザイン7原則を掲載します
1:誰にでも公平に利用できること
2:使う上で自由度が高いこと
3:使い方が直感的ですぐわかること
4:必要な情報がすぐに理解できること
5:うっかり失敗や危険につながらないこと
6:少ない力でも楽に使用できること
7:アクセスしやすいスペースと大きさが確保されていること
新紙幣がユニバーサルデザイン視点で刷新されていることがわかります。
新紙幣のデザインは、ただ単に機能的な改善だけでなく、社会的な包摂を促進するための重要なステップでもあります。すべてのユーザーが同様に利用できるようにすることで、障害を持つ人々を含め、より多くの人々が日常生活や社会参加がしやすくなります。
このように、新紙幣のユニバーサルデザインは、技術的な側面だけでなく、社会的な視点からも極めて重要な意味を持っています。それによって、金融の世界での平等とアクセシビリティが進むことは、単に便利で使いやすい紙幣を提供する以上の価値を社会にもたらすことになるでしょう。
この新しいアプローチは、国際的なユニバーサルデザインの基準に照らしても先進的であり、他国の通貨設計にも影響を与える可能性があります。日本銀行のこの取り組みが、全世界におけるリアル通貨のアクセシビリティ向上のモデルとなることを期待しています。
Think Universality.Think Difference.
m.m
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