(1分読み)ユニバーサルデザイン(UD)の教科書103 ヒューマンエラー
ヒューマンエラー
ヒューマンエラーとは何か?
ヒューマンエラー、つまり「人間の誤り」。
人間は多かれ少なかれ、誤りを起こすものです。
ヒューマンエラーという言葉は、工業化社会が進むにつれ、頻繁に耳にするようになりました。
ヒューマンエラーとは、人間の行動や判断によって引き起こされる誤りや失敗を指します。
これは、単なる不注意やミスだけでなく、誤った判断や情報の誤解、技能の不足など、さまざまな要素によって引き起こされます。
ヒューマンエラーの起源
ヒューマンエラーの起源は、人間の認知と行動の特性にあります。
人間は完全なる存在ではなく、認知や行動には限界があります。
また、人間は、環境や状況、情報の影響を受けやすく、それらの要素が絡み合うことで、誤りを起こしがちです。
ヒューマンエラーの分類
ヒューマンエラーは、その発生要因によって大きく分けると
「スキルベースのエラー」
「ルールベースのエラー」
「知識ベースのエラー」
の3つに分類できます。
スキルベースのエラーは、
習慣的な行動や操作ミスによるエラー
ルールベースのエラーは、
ルールや手順の誤解や適用ミスによるエラー
知識ベースのエラーは、
知識や理解の不足によるエラー
を指します。
ヒューマンエラーの影響
ヒューマンエラーの影響は、個人から社会全体に及びます。
個人レベルでは、自身の安全や生活の質が脅かされ、
組織レベルでは、生産性や信頼性の低下、事故や災害を引き起こす可能性があります。
社会全体では、経済的な損失や社会的な混乱を引き起こす可能性があります。
ヒューマンエラーの対策
ヒューマンエラーの対策は、
「エラーの予防」
「エラーの影響の緩和」
の二つの観点から考えることができます。
エラーの予防は、
教育や訓練、ルールや手順の見直し、作業環境の改善などによって行われます。
エラーの影響の緩和は、
エラーが発生したときに、その影響を最小限に抑えるための対策、例えば、エラー検出システムの導入や緊急時の対応計画の策定などがあります。
ヒューマンエラーとユニバーサルデザイン
ヒューマンエラーの対策には、ユニバーサルデザインの考え方が有効です。
ユニバーサルデザインとは、可能なかぎりすべての人が利用しやすいように設計する考え方で、ヒューマンエラーの防止に役立ちます。
例えば、直感的に操作できるデザインや、誤操作を防ぐ安全機能の設計などが挙げられます。
※ユニバーサルデザイン7原則の
3.使い方が直感的ですぐわかること
5.うっかり失敗や危険につながらないこと
(参照)https://note.com/masani8120mm/n/nb0022db66bcb
これらの設計は、エラーの予防と影響の緩和の両方に貢献します。
ヒューマンエラーを理解することの重要性
ヒューマンエラーを理解し、その対策を講じることは、個人の安全や生活の質を保つため、組織の生産性や信頼性を維持するため、そして社会全体の安全と秩序を保つために不可欠です。
ヒューマンエラーは避けられない存在ですが、その理解と対策によって、その影響を最小限に抑えることが可能です。
ヒューマンエラーは私たちの生活のあらゆる面に影響を及ぼします。
しかし、その理解と対策、そしてユニバーサルデザインの適用によって、私たちはより安全で、より効率的で快適な社会を築くことができます。
追伸:
ヒューマンエラーは、以下のような用語が多くあります。用語・カテゴリー分け・種類も文献により違います。また、書いていると、何ともネガティブな気持ちになってしまいます…。今後、わかりやすく、ポジティブに編集ができたら、また公開したいと思います。
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ヒューマンエラーには、原因からの分類として、「ついつい・うっかり型」「あえて型」があります。人間によるミスは「違反」を除くと、「ラプス」「ミステイク」「スリップ」に分けられ、発生要因ベースでは「スリップ」「ラプス」「ミステイク」に分類されます。これらは「認知」「判断」「行動」の3つにも分類されます。
ヒューマンエラーの具体的な種類としては、危険軽視・慣れ、不注意、無知・未経験・不慣れ、近道・省略行動、高齢者の心身機能低下、錯覚、場面行動本能、パニック、連絡不足、疲労、単調作業による意識低下、および集団欠陥が挙げられます。
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Think Universality.Think Difference.
m.m
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