【市民政治】デジタル化って一体なんなの?【Citizen Politics】

 ここ最近、DXとか、あるいは岸田政権になってからの「デジタル田園都市国家構想」という話がありますけれども、これって一体どこに向かっているのか、そして、私達市民はどういうふうにしていったらいいのか、ということを今日は考えてみたいと思います。

 内閣官房のデジタル田園都市国家構想のページには次のように書いてあります。

地方からデジタルの実装を進め、新たな変革の波を起こし、地方と都市の差を縮めていくことで、世界とつながる「デジタル田園都市国家構想」の実現に向け、構想の具体化を図るとともに、デジタル実装を通じた地方活性化を推進するため、デジタル田園都市国家構想実現会議を開催します。

出典:内閣官房 デジタル都市国家構想実現会議

地方と都市の格差をデジタル化で解決?


 よくわかんないんですけれども、ともかく地方と都市の格差に問題意識があることが分かります。そしてこの問題に対して、デジタル化?したらこの都市と地方の格差が減る、とかそういうことを目指しているように思われます。
 地方と都市の格差問題は、非常に古くからあると思います。田中角栄さん日本列島改造論は1972年に書かれましたが、過密都市から地方への工業分散、高速道路や新幹線などの交通網の整備などが述べられています。今回のデジタル田園都市国家構想もこの構図に似ていると思います。
 具体的な中身については、データセンターやクラウド、5Gの整備、並びにGIGAスクールやスマート農業などを支援すると書いてあります。それをやる企業は儲かるかと思います。

市民にとってのデジタル化


 一方で、私達市民の立場から見た時、これはどういった変化になってくるのでしょうか。それこそ田中角栄時代のように、高速道路を引くと3時間かかったところに1時間で行けるといったわかりやすい市民の生活の向上めいたものがあるのでしょうか。私達市民についていえば、スマホやコンピューターの利用によって便利になる面もあればそうでない面もあるかと思います。
 というのも、コンピューターが苦手な人にとっては、これが必須となってしまいますと非常に難儀するということが起こっています。最近、銀行などでは通帳が紙の通帳からweb通帳へと移行し、またクレジットカードなどの明細もwebで見られるようにしようとなってきています。その反対側では、逆に紙の通帳や紙での明細の有料化が進んでいます。
 これは当たり前のようにも見えますが、不思議なことでもあります。例えば、高速道路を引くにあたって、高速道路は”無料”で下道は”有料”ということにななってこなかったからです。利便性の高いもの?が無料であり、昔ながらのものが有料化されていくというのが昨今のデジタル化の一つの性質のように思われます。

デジタルじゃない手続きがますます有料化する


 その意味において、市役所など行政手続きがどんどんデジタル化して、webで手続きができるようになるにつれ、行政の窓口で実際に手続きする場合の手数料が増えるということは考えられます。勿論、民間と違い、行政には万民に対してサービスを提供しなければいけないという観点から、そこまで露骨なことはないだろうと思いますが、社会全体としてそういった圧力めいたものがある、ということは言えるのかもしれません。
 例えば、税務署は年末に確定申告などで非常に混雑いたします。このweb化が進むことによって、税務署も仕事が楽になるわけですから、今後、e-taxによる納税が優遇されてくることは可能性として考えられます。
 そういうわけで、我々市民としては、これらのデジタル田園都市国家構想とそれに伴う一連のデジタル化の波をどう見たらよいのかというと、つまり、こういったデジタルでの手続きに頑張って慣れていく、対応していく、そのことによって、一連の生活がよりお得になってくるだろうということが言えるかと思います。デジタル田園都市国家構想では、誰一人取り残さないと述べてありますから、デジタルに対応していないということで損をするということではないと思います。

デジタル化に対応する人が得をする社会

 そういうわけで、昨今のデジタル化とは我々市民にとってなにか、というと「デジタルに対応する人が得をする」そういった社会がこれからますます形成されようとしているのではないか、思われるわけです。

以上、ご精読ありがとうございました。

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