ゲームも英語も、上達するのは「一人の時」だよ、という話
はじめましての方はこちらを
唯一ハマった対戦ゲーム
昔から基本的に一人でプレイできるゲームが好きで、対戦型のものっていうのはあまりやってきていないのですが、
1つだけはまった対戦型ゲームがあって、それがファミスタでした(ナムコから出ていた野球ゲーム)。
もともとプロ野球が好きだったということもあって、同じくプロ野球好きの大学時代の親友と、「日本シリーズ」と銘打って、真剣勝負を戦ったものです。
実際の日本シリーズのルールに基づいて、7戦中4勝した方が優勝という形で。
ヒリヒリするような緊張感で、一戦が終わるごとにドッと疲れ、次の試合までには休憩がいるほど。全然体動かしてないのに。
一方的な試合展開の中で盗塁をされ(これは実際のプロ野球でもやってはいけない、とされる unwritten rule =不文律 に反する行為)、そこから半年間、一切口を利かなかったことも。
どうかしてるでしょう?
そいつとの対戦はまさにどちらがファミスタ王者かを決める(まぁ二人しかいないのですが)、プライドを賭けた真剣勝負でした。
初心者との対戦ほど苦労する
で、時々、やったことがない友達もやりたがるんですが、ああいうゲームって、下手な奴と対戦するのが本当に面白くない。
まず守備ができない(フライを捕れない)から、外野にボールが飛ぶと全てランニングホームランになってしまう、
そしてバッティングも、変化球を投げると全く対応できないので、もうストライクゾーンに投げるしかない、駆け引きもなにもあったもんじゃない。
ちょっと経験がある方なら、これがどれほどイラつかされるものかわかるはず。
別に勝つのが目的じゃないですからね、こっちは真剣勝負がしたいんですよ、ヒリヒリするような。
まぁ邪険にするのも可哀想ですから、一試合ぐらい付き合ってはやりますが、あまりにも一方的で、向こうが必死でやっているのもわかる、でもどうしてもイライラしてくる、この時間は一体なんなんだろうと
そしてそんな状態から、試合中にどんどん技術を吸収して、見る見るうちに上達する、なんてことはあり得ないわけです。
一人での修行
だからそんな時はどうするかと言うと、「お前はちょっと一人でやり込め」と言い渡して、こっちは外出して数時間放置。
「やり込む」とはゲーム用語で、何時間も(寝食を忘れて)ひたすらプレーすること。そのゲームを繰り返しやることで、プレーに必要なスキルを上達させるわけですね。
要は「自主トレ」です。
で、打つ方と守る方がある程度のレベルに達したら、そこでようやく試合をしてあげる
もちろんこっちのレベルに達するにはまだまだ修行が必要で(そりゃそうです、何でも上達を決めるのは捧げた時間で、その量が違いすぎますから)、
だから接戦にするにはかなり手心を加える必要はありますが、それでもまぁなんとかプレーに「付き合って」あげられるようにはなる。
そう、対戦する前に「自主トレ」で、基本スキルを一通りできるようにしておく、
これが対戦プレーをする際の初心者のマナーです。じゃないと、つきあわされる方は大変なのです。
ピンと来ましたか?そう、ここから英語の話に持っていこうというのです。
初心者では会話も楽しめない
今はオンライン英会話が隆盛で、多くの人が手軽に「会話」の機会を持てるようになりましたが、
聞き取ることもできない・話すこともできない状態でいきなり会話に臨んで、
「はい、これでなんとかしてください」っていうのは、守備も下手・バッティングもできない状態で人と対戦するようなもの。
どうにもなりません。
試合中(会話中)に見る見る上達する、なんてことはあり得ないわけです。
そりゃあ相手はお金をもらってるから「我慢」はしてくれるでしょう、でもいつまでもそれでは、どちらにとっても面白いわけがありません。
試合では上達できない
そして、もっと大切なこと、それは
試合(会話の場面)で上達する、というのは高が知れている、ということ。
というのは上達をもたらすのは「背伸び」と「繰り返し」だからです。
背伸びというのは、現在の自分のレベルを超えたことに挑戦しようとすること。
新しい技を使えるようにするとか
苦手なことを克服したりだとか
できることをよりスムーズにこなせるようにするとか
これによって自分のレベルを上げる
ですが、試合の場ではそんなことはできません。それよりも「すでにできること」でなんとかしようとするものですから。むしろ、背伸びを避けて安全策をとってしまうもの。
そしてもう一つの上達の要素である「繰り返し」もできませんよね。人を相手に何度も何度も同じことやったら嫌がられるでしょう。
つまりこの上達に不可欠な2つの要素が、試合ではできない、だから上達できないのです。
ではこの「背伸び」と「繰り返し」ができるのはいつかというと、
それは一人の時。つまり上達するのは「自主トレ」の時なのです。
ですからまずやるべきは、ゲームと同じ、1人プレイで「やり込む」ことです。
それで聞き取る力と話す力をそれぞれ鍛えて、最低限の会話ができる状態にしてから会話に臨む。
野球と英会話が違うのは、野球は攻撃と守備が分かれていて、攻撃なら攻撃、守備なら守備に集中できるんですが、
でも英会話は相手の話を聞き「ながら」なんて返事しようと考えたりなど、いくつかの動作を同時並行して、しかも限られた時間の中で行うことが必要になります。
この意味で英会話の方がはるかに大変。ですから自主トレのレベルも、もっと高いところを目指さなくてはいけない。
つまりファミスタよりももっと長時間、1人プレイをやり込まなきゃいけないということです。
英語の力は一人で伸ばせる
そして多くの方が分かっていないだろうこと、それは、話す力・聞き取る力を伸ばすのに相手はいらない、ということ。
それどころか一人の方がむしろ効率よく力を伸ばすことができるんです。
だってリスニングを考えたって、同じことを何回も人に言ってもらうのは申し訳ないですが、録音された音声なら何百回だって同じところを再生できますよね。
スピーキングだって、例えば仮定法の文を使えるようにする、という時に相手はいりませんよね。「if の節の動詞は過去形にして」、など一人で何度も練習して、スムーズに文を作れるようにする、これはすべて自主トレの領域
この自主トレをどれだけ積むかなんです。
自分自身のケース
ちなみに言うと、自分は英語をやり直して、3年で英検一級に合格しましたが、それまでに外国人と話した経験はほとんどありません。
3ヶ月でTOEICで900を超えた後、それまでの自分の頑張りへのご褒美として、オーストラリアに行きましたが、そこでの会話(この時点ではまだ会話はできませんでしたが)が、最後の機会です。
そこから帰国して2年半以上、外国人とは一切会話することなく、一人で勉強しました。
そして本当に久々の会話の場面が、英検一級の面接の場だったのです!
オンライン英会話をやったことがある方は、初めて外国人講師と話した時の緊張感を覚えていると思います
あんなもんじゃありません
もともともとが大の人見知りで、さらに緊張しいの上に、
外国人との会話自体がほぼ2年半ぶり、しかもそれが一発勝負の面接の場
どれだけ緊張したか、想像できるはず。
だから面接室に入るときなんて、右手と右足が一緒に動く、まさに漫画みたいな状態で、自分でも笑っちゃうぐらい緊張しましたが、それでも一発で合格することができました。
どうしてそんなことが可能になったかと言うと「自主トレ」を散々積んでいたからです。一人で「やり込んで」いたわけです。
まあ、自分のケースは極端ではありますが、それでも英語を聞き取る力、話す力を付けるために相手は必要ないということはお分かり頂けると思います。
力をつけられるどころか、英検一級の面接に対応できるまでになれるんですから。
自主トレの威力
もし仮りに自分が、いきなり「オンライン英会話で外国人と話す」という方法をとっていたら、3年で英検一級に合格できたかというと、恐らくは無理だったはず。
さらに言えば、「やり直して3ヶ月で TOEICで920点」は、オンライン英会話を選んでいたら「絶対に」無理だったでしょう。一人で取り組んだからこそ可能になったことです。
これが「自主トレ」の威力です。
僕も昔は、外国人と会話するだけで、なにか魔法のように上達できるんじゃないか、と思っていた時期があります。それで当時流行っていた駅前留学(英会話教室に通うこと)もしました。
でもそれでうまく行かず、その幻想はとうに捨てました。
だってネイテイブにとって、英語は母語、つまり「知らぬ間に身につけてしまった言葉」です。
知らぬ間に身につけたものを、これからゼロから学ぼうという人に、どうやってその進め方を教えるのでしょうか。
だから僕はずっと思っていました、彼らはいいスパーリングパートナーではあるけれど、いい教師になるのは難しいだろうと。
それは子供の時に英語を身につけてしまったフィリピン人講師もあまり変わりません。
でも彼らはスパーリングパートナーとしてはとても優秀。
だからまずは一人で聞き取る力と話す力を育てて、スパーリング(会話)に臨めるだけの準備をしようと思ったのです。
で、そう思って取り組んでいるうちに、英検一級に合格できるほどの力が備わっていたと。
上達するのは一人の時
これは胸に刻んでください。
今オンライン英会話をしている、という方も、上達するのは一人の時なんだ、ということ。
会話の前に、そして会話の後でどう取り組むか、です。
ゴルフでコースに出てばかりの人が、それによってどんどん上達するかというとそんなことはなく、
上達するのはやはりコースに出ている時「以外」の練習の時間でしょう。
そこで一人で、あるいはコーチの指導のもと、フォームの確認・矯正をする
そして改良したフォームを体に覚えさせるために何百球と打ち込む(これが反復です)
こういうプロセスなしに、上達することはできないのです。
自主トレの大切さ、わかって頂けたでしょうか。
では、英語学習においてその自主トレとして何をしたらいいのか、
どうせやるなら本当に効果のあるトレーニングで、最短距離で上達したいですよね。
そしてそれこそ、自分がずっと追究してきたものでもあります。
知りたい、という方はこちらを。
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