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正しい方法できちんと努力すれば英語は必ず使えるようになる、では『きちんと』って?

今回は、「才能を伸ばすシンプルな本」から、スキルの上達に役立ちそうなことをご紹介します。


まずは本の冒頭部分より

才能は「遺伝」よりむしろ「行動」によって決定されるという新しい考え方が確立されようとしている。

いきなりかましてくれました。

才能とは遺伝ではなく、後天的な行動によって作られるものだと。それはつまり努力でどうとでもなるということです。

さらに

1 人はみな才能をもっている。 
2 人々は自分の才能を存分に発揮する方法を知らない。  
ほとんどの人にとって、問題は方法論である。

と続きます。みんな才能は持っているんだと、それを開花させる方法を知っている人といない人がいるだけなんだと。 

方法さえわかれば、誰でもその才能を開花させることができる。

じゃあその才能を作る「行動」とは何を指すのかというと

ここでいう行動とは、とくに脳の成長をうながす徹底的な練習とモチベーションの組み合わせのことだ。
つまるところ、才能の開発とは、脳を成長させることにほかならないからだ。
したがって、新しい科学とは、「才能を開発したいなら、深い練習を通じて脳を鍛える必要がある」という考え方に要約できる。

「脳の成長」これこそがキーワードです。以前ご紹介した本「超一流になるのは才能か努力か?」の中でも、上達とは脳の発達のことだ、という記述がありました。

限界的練習によって、最も変化が起こるのは脳である。たとえば、バイオリニストやチェリストは練習を積むうちに、演奏において最も重要な左手指を制御する脳の領域が大きくなる。こうした脳の変化こそがあらゆる「能力」の正体なのだ


つまり才能を開発するためには「脳」を鍛える必要があり、そしてその脳を鍛えるために「深い練習」が必要なんですね。

では「深い練習」とは具体的にどういうものか。それは以下の質問によって明らかになります。ご自身の英語学習に重ねて考えてみてください。

1 背伸びと繰り返し
あなたは練習中に能力の限界まで背伸びをし,それを繰り返しているか?
2 意識の集中
あなたは練習に意識を集中し,目標達成のために気合いを入れているか?
3 明確な目的意識
練習が,身につけたいスキルと直結しているか?
4 強力で迅速なフィードバック
学習者は自分の出来栄え(どこがうまくできて,どこでミスをしたか)について正確な情報を得ているだろうか?

これらの質問にyesと答えられるものが、脳を鍛える「深い練習」なのだそうです。

1 背伸びと繰り返し
2 意識の集中
3 明確な目的意識
4 強力で迅速なフィードバック

ちなみに「超一流になるのは才能か努力か?」の中では、上達をもたらすトレーニングのことを「目的のある練習」と呼んでおり、その要件は

1,改善できそうな具体的目標を持って取り組むこと
2,コンフォートゾーンから飛び出すこと
3,やるべき作業に全神経を集中させること
4, フィードバックの必要性
5, やる気の維持

でした。ご覧になっておわかりのように、順番の違いこそあれ、今回の本の中で述べられている「深い練習」の要件とほぼ重なります。

背伸び、集中、具体的な目標、フィードバック

がカギなんだと。

背伸びとは、今の自分の限界を超えたことに挑戦しようとすること、

そして100%を意識を集中させること、

(数字などの)具体的な目標を持って、それを改善させるように取り組むこと、

適切なフィードバックを得ること ← フィードバックとは自分がちゃんとできているかをチェックしてもらうこと

これらを満たすのが、上達をもたらす深い練習。

あなたの取り組みはいかがですか?「英語が使える」ところにつながる「深い練習」ができているでしょうか。


この本では特に「背伸び」の大切さが何度も強調されています。

深い練習のカギは、「背伸びをすること」である。つまり、現在の能力を超えて自分を伸ばすために、スイートスポットと呼ばれる困難なゾーンを体験することだ。

ここでいうスイートスポットとは難易度を指しています。他にもコンフォートゾーンと、サバイバルゾーンがあると。その定義はそれぞれ

1:コンフォートゾーン 

・努力を要しないほど簡単にできる。作業はしているが、背伸びや苦闘とは無縁である。 

・成功の確率 80パーセント以上 

2:スイートスポット 

・困難をともなうためにミスを連発してイライラする。かなりむずかしい目標を達成するために精いっぱい背伸びをし、うまくいかなくても、ふたたび挑戦する。 

・成功の確率 50〜80パーセント 

3:サバイバルゾーン 

・困惑と絶望に悩まされる。ときにはうまくいくこともあるが、たいてい運がいいだけである。

・成功の確率 50パーセント未満

やっていて楽勝だとかんじるものは1のコンフォートゾーンの中にある、ということ。そして難しすぎて結果が運に左右されるようなものは3のサバイバルゾーン、

その中間に位置する難易度のことを「スイートスポット」と呼んでいるわけですね。

自分にとってそれぐらいの難易度にあたるものに当たることが、上達をもたらす背伸びになるんだと。

アインシュタインが「われわれは最大の努力によってかろうじてなしとげられることをおこなう感覚を養わなければならない」と言っているとおりだ。  
ここで重要なのは、「かろうじて」という表現である。「最大の努力をしたなら、何をかろうじてなしとげられるか?」と自問しよう。現在の能力の限界を記録し、それを少し超えることをめざそう。それがあなたのスイートスポットだ。

「最大の努力をしたらかろうじてできる」というレベルのことをやろうと。そうなると当然集中をしなくてはなりませんし、トレーニングはキツいものとなるはず。

そしてもう一つ繰り返されているのが、ミスの大切さです。そのミスにどう対応するかというところ。

クラリネットの練習をしていたある少女が、練習方法を変えることによって、それまでは1ヶ月かかっていたようなことをたった5分で学べるようになったのだそうです。

何を変えたのか。それはミスに向き合ったこと。それまではどんなミスも無視して最後まで弾き通していたのを

ミスする度に,①それを認識し,②それを修正した。

(中略)

脳のX線断層写真による研究で、ミスをした直後の0.25秒という重要な瞬間に人々はふたつのうちのひとつをすることがわかった。ミスを直視するか無視するか、どちらかである。研究によると、ミスを直視する人は、無視する人よりはるかに多くのことを学ぶという結果が出ている。
能力の限界にあるスイートスポットに到達し、背伸びをしてそれを超えると、脳の中の新しい神経回路をつくって強化することができる。ミスはもはやミスではなく、正しい回路を形成するための情報になる。だから、ミスを直視して修正すればするほど、脳の中に正しい神経回路が増える。

何度も述べられているように、成長のためには「背伸び」をすることが欠かせませんが、それは今の自分では出来ないことにチャレンジしようとする行為ですから、当然ミスも沢山生まれるでしょう。

大切なのはそのミスをした時で、それに気づいた際に流さずにその場で修正する、こうすることによって脳の中に正しい神経回路を増やすことができると。

今回の「深い練習」の要件として強力で迅速なフィードバックが挙げられていましたが、やはりなんでもやりっぱなしでは得られるものは少ないということ。

ミスとはスキルを身につけるための手段なのだ。

「ミスは正しい回路を形成するための情報」なんだと考えれば、どんどんミスをしてやろうという気にもなります。それなしでは成長できないんですから。

出来ればコーチがそばにいて、常にフィードバックをもらえるのが理想でしょうが、一人でだって出来ないことはありません。

例えばすでにご紹介した、音読を録音して客観的に聞いてみる、というのもそうですし、

あるいは英会話をする際に、ただ話すだけでなくその様子を録音しておき、後で振り返る機会を持つ、ここでこう言いたかったということを調べて言えるようにする・ミスに気づいてそれを修正するなどすることによって、大きな学びの機会となります。

長くなりますので続きます。今回ご紹介したこと、どうにかご自身の勉強にとりいれられないかな?と考えてみてください。

特に

・背伸びはしているか

・ミスに向き合っているか

というところ。

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