見出し画像

英語学習の「ごほうび」としての海外旅行のススメ

オーストラリア修行編<最終回>

英語で夢を見る、という嬉しいサプライズもありつつ、楽しかったオーストラリアの日々は終わりを迎えました。

20代の頃は英語が使えなかった(英語が全く聞き取れず、話すこともできなかった)ため、海外に行ってもできるだけ人と関わらずに済まそうとしていたのですが、

それだと、テレビの旅番組を見ているのとあまり変わらないんですよね。

ですが、英語が「少し使える」ようになって初めての海外は、新鮮な驚きに満ちており、

そのあまりの違いに、「どうしてもっと早く英語の勉強を始めなかったのだろう」と心底思いました。

そして流れに任せてのことでしたが、たった5日間でも語学学校に通い、ホームステイをしたことも、今から考えると本当にラッキーでした。

おかげで英語学習に関しても、たくさんのヒントを得ることができましたから。

旅がもたらしてくれたもの

その短い滞在の間に遭遇したことがらと言えば...

・自分に対して話される英語が聞き取れた

→ TOEICで900を超えても感じることができなかった、「リスニングの上達」が初めて実感できた

・5才児を相手に話すと、緊張なくアドリブで話せた

→ 大人が相手だと、「こいつなかなか英語できるわい」と思われたいという気持ちが生まれ、それが英語を話す上で大きな障害になっていることを知る

・ただし、話すことに意識が取られて発音が甘くなってしまい、子供に厳しく注意される

→ 「スキルの自動化」の大変さを思い知る

・文法がスカスカなのに英語がペラペラ話せるブラジル人

・3ヶ国語、4ヶ国語を当たり前のように話すスイス人

との出会い、それと比べて

・文法のテストはできるのに英語が話せない日本人

→ どの母語を持つかによって、外国語の習得の難易度は大きく変わるということ

・国によるスタンダードの違い

→「だらしない」のレベルが違いすぎるとか、日本では「陽キャ」だと言われるような人でも、ブラジル基準だと普通以下とか

・英語で夢を見る体験

→ 毎日起きている間中、「これを英語でなんと言おう」と考え、それを練習していた+英語を使わざるを得ない環境に身を置いた

などなど

しっかり英語を勉強した上で海外に行くと、もたらされるものは大きいということ。

英語を継続するための動機

英語学習を継続するにあたっては、自分を英語に向かわせる動機が必要です。

この動機には、自分の中から湧き上がってくる「内発的動機」と、外的要因による「外発的動機」があります。

例えばTOEICでいい成績を取って人から凄いと言われたい、収入をアップさせたい、などと考えて勉強するのは「外発的」 

これに対して、学習そのものからもたらされるものが「内発的」

このうち、「内発的動機」のほうが持続すると言われています。

もちろん、英語が楽しくてしゃあない、という強力な「内発的な動機」に支えられて、知らないうちにとんでもない時間を捧げてしまい、どんどん上達していく人、というのはいます。

でもそういうのは、英語の神に愛された僅かな人だけ。将棋でいうと藤井聡太四段みたいな人。あれの英語版。

ほとんどの人はそこまで内発的動機は強くない、でも英語を上達させるには時間をかけなくてはならない、しかも数千時間レベルで、という状況であるはず。

ということは、どうやって「外発的動機」を作れるかを考えることが大切だということ。

そう、「外発的動機」はコントロールできるのです。だって自分の外側にある要因によって左右されるものですから。

「ご褒美」と「ペナルティー」

そしてそれをコントロールする代表的なものが「ご褒美」と「ペナルティー」です。

人類史上最も成功した語学プログラムは、第二次世界大戦中のアメリカ軍のもので、成績優秀者には昇進というご褒美が、成績が悪い者は最前線に送られる、という厳しいペナルティーが備えられていたそうです。

この例が「人類史上最も成功」したのは、その「ご褒美」と「ペナルティー」が最高レベルにあったためです。

ですから、一人で勉強する際にも「ご褒美」と「ペナルティー」を用意すればいい、ということ。

しかもそれは自分を行動に駆り立てるぐらい強力なものである必要があります。

ただしペナルティーに関しては、一人で取り組む場合は難しいですよね。

「この人からの信頼は裏切りたくない」と思う人に宣言する、というのは一つの方法です。

「どうしても英語を習得したい、だから今日から毎日3時間は勉強やる、それを、絶対に裏切りたくないあなたに誓う」と。そして週イチで進捗を報告する。このやり方は強力にあなたを支えます。

それで挫折したら、「こいつは口だけだな」と、自分が一番裏切りたくない人から思われるのですから。これは大きなペナルティーであるはず。

でも気が進まないでしょう。まぁそれは失敗することを前提にしているからですけどね。← ということは裏を返せばペナルティーとしては有効だということ。

あるいは、例えば「これから3ヶ月は毎日3時間やる、もしこの約束を破ったら君に5万払う」っていうのもいいでしょう。これも自分にとって本当に痛い額、絶対に払いたくない額である必要があります。

まぁちゃんと守るかどうかはあなた次第ですが。

とにかくペナルティーの場合は、人を巻き込まないとあまり効果はないです。一人だといくらでもごまかせますから。

ご褒美としての海外旅行

でも「ご褒美」は一人でも可能ですよね。

例えば3ヶ月頑張ろうと決めて、実際に3ヶ月達成できたら、その頑張りに対して自分にごほうびをあげる。

その「ご褒美」にも色々あるでしょうけど、

自分自身の経験から言っても、海外旅行ほどいいものはないと思います。

今やっていることが、その数カ月後の海外で生きるかも、と思えば勉強にも熱が入りますよね。

しっかりトレーニングを積んで、頭の引き出しに英語を詰めこんだ上で海外に行けば、実戦に挑戦する中で必ず新しい発見があります。

もちろんできないこともたくさんあるでしょうが、

そうやって「できないこと」に出合って、悔しい思いをすることによって、新たな課題を見つけることができます。

「あのときこう言えばよかった」ということもたくさんあるでしょう。そしてそういうものはしっかり記憶に残ります。

逆に「できたこと」は言うまでもなくモチベーションを上げてくれます。ここまでやってきたことが報われたという喜び。

英語ではこの上達の実感を得るのが本当に難しいですからね。これは貴重な機会となることでしょう。

だからいいことも悪いこともあるでしょうけれど、いずれにせよ、「次の機会にはもっとできるようになってやろう」という気分にさせてくれるはずで、

この気持ちがまた、それからの継続を助けてくれるのです。

これに加えて、その後帰国してからのトレーニングも、実際に遭遇した具体的なシーンを思い浮かべながら、つまり常に実戦を意識しながら積むことができます。

例えば音読をする際も、頭の中に旅先で出会った相手をイメージしながら、より感情を込めて進められるようになるでしょう。

これによってトレーニングの質も上がるはずです。

このように「ごほうび」としての海外旅行は、その後の英語学習に大きなものをもたらしてくれるわけです。

今はコロナの影響で簡単に海外に行くことはできない、この機会がチャンスだと思うんです。いつかまた海外への扉が開いた時に備えて、この時期に十分に積み上げておく。

英語が人をつなぐ

旅の思い出を最後にもう一つだけ。

語学学校の最終日に、生徒と教師みんなで飲んだんですよ。

その夜はオーストラリア人・イギリス人・アメリカ人(ここまではみんな教師)、それからスイス人・ブラジル人・フランス人・イタリア人、それに日本人の自分が、一つのテーブルを囲んで大盛り上がりで

国籍も話す言葉も育ってきた環境もまったく違う人間同士が、こうして一緒に笑いながらしゃべっている 

こんなこと、それまでの人生では考えられませんでした。あのまま英語を諦めてしまったままでは、一生味わえなかったはずの喜びです。

そして皆をつないでいるのは英語でした。

もちろん自分のスピーキング力では、ごくごく浅いことしか言えないんですが、それでもちょっとしたひとこと(もちろん英語)で皆を笑わせることができて

まぁそのときの嬉しさと言ったら!

もっと話せれば、外国人とももっと深くコミュニケーションがとれるはず、もっと英語ができるようになりたい、と思いを強くしました。

そしてこの「思い」が、そこからの継続の助けになったということは、言うまでもありません。

これこそが、「メチャメチャ英語を勉強してからの海外旅行」が自分にもたらしてくれた、その最大のおみやげです。


そうだ、コロナが明けたら海外行こう、その前に簡単に海外に行けない今をチャンスととらえて、それに備えて今のうちにメチャメチャ英語勉強しておこう

をギュッと縮めて「そうだ、海外行こう」

これが我らの合言葉

オーストラリア修行編、ここまでとなります。

→ オーストラリアから帰国してから今度は「話せる」ようになるべく、勉強を続けるわけですが、その道のりは簡単にはいきませんでした。

詳しくはこちらの記事をお読みください。

最後までお読みいただき、ありがとうございます。読んでみて「いいな」と思ったら、ぜひフォローしてつながってください。
また、少しでも「なるほどな」というところがありましたら、「スキ」♥を押してください。とても喜びます。

この記事が参加している募集

スキしてみて

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?