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猫のこと…人懐こい茶白

前に住んでた家の近所に、とても人懐こい茶白がいた。

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初めて会った時から、ニャーニャー言いながら自分の後をついて来た。

「ずいぶん人慣れしてるな」

と思ったが、自分も猫慣れしてるのでお互いいい遊び相手が見つかったと思った。

飼い主さんがよっぽど可愛がってすくすく育ち、人間に対しての警戒感がゼロなのか、もはや自分自身を猫だとは思っておらず、人間と思ってるのではないかと言う具合だ。

遠くからでも自分を発見すると、ニャーニャー言いながらやって来る。
何度か遊び終わって帰ろうとすると、そのまま自分の後をついて来て、抱きかかえてまた家まで連れて行ったことがあった。

自分が引っ越すことになり、近所の猫たちに挨拶がてら会いに行った。
しかしこの茶白だけその時会えず仕舞いで、まあ近くに行った時寄ればいいやと思った。

引っ越してからなんやかんやで一ヶ月が過ぎた頃、ちょうど近くを通ることがあったので寄ってみた。
茶白の姿はなかったが、家から飼い主であろうおばさんが出て来たので、茶白のことを尋ねた。

おばさんは話してくれた。
茶白はこの家に来たのは三年前だということ。
前に飼われていたとこで、引っ越しをきっかけに置いて行かれたこと。
おばさんが知り合いから話を聞いて、それなら自分のとこにと連れて来たこと。

おばさんは、

「あんまり懐かない子だから、あなたみたいに可愛がってくれる人がいて嬉しいわ」

と言った。
おばさんはどこかへ出かけて行き、自分も帰ろうとすると茶白がいた。
遠くからニャーニャー言いながら近づいて来て、足元にまとわりついて来た。
それから茶白がニャーとなく度、「行かないで」と言ってるように聞こえてなんだか切なくなってしまった。

こりゃ引っ越したと気づかれないように、度々会いに行くしかないなと思った。

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