猫のこと…懐かれる理由

「なんでそんなに猫が懐くんですか?」

とよく聞かれる。
なにかコツがあるとか、猫に好かれてるとか、僕からまたたびの匂いがするとか、そういうことはない。

今まで黙っていたが、僕は猫の世界から人間の世界に送り込まれていた諜報員なのだ。

そう、言わば『猫側の人間』なのである。

猫が人間界で安全に暮らすために、日々諜報活動をしているわけで、だから僕のことを知らない猫はいないのだ。

人間から見たら、僕と猫が戯れてるようにしか見えないだろうが、日々いろんな猫たちから情報を得たり、相談をされたり、愚痴を聞いたりしている。

人間界で生きる猫たちに苦労は多く、僕は人間と猫を繋ぐパイプ役を担っているのだ。

最長老様から直々に依頼され、日本に12匹いる長老様たちから猫語を教わった。
ちなみに僕以外にも諜報員はいるらしいのだが、誰がそうなのか、人間同士にはわからない。

日々の活動は月に一回、諜報部の猫に報告しなくてはいけない。
よく神社に猫がいるが、あれが諜報部の猫たちだ。
街の猫たちより、一つ格が上なのだ。

僕は猫を飼っていない。
これも理由があって、諜報員は猫を飼ってはいけないのだ。

「全ての猫に平等で、全ての猫を崇めること」

と、猫憲法にあるからだ。



なんてね。

そんなことがあったらワクワクするのになー、と妄想する、2月にしては生暖かい深夜の公園。


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