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週刊note「甘える猫」

昨日新宿で会ったはじめましての猫。
初対面なのにとても人懐っこくて、人馴れしていた。
僕はライブに行かなきゃいけなかったから、甘えてくる猫を置いて会場へと向かった。

ライブ後、来た道を自転車で走っていたら、来た時とまったく同じ場所にさっきの猫がいた。

猫はお寿司屋さんの前に姿勢よく座っていた。
「この店の猫なのかな」
と思い、再び声をかけた。
行きと変わらずめちゃくちゃ甘えてくる。
「お腹すいてるのかな」
と思い、たまたま持ってた猫の餌をあげてみた。
ここでたまたま猫の餌を持ってた話をしなきゃいけない。前に僕が住んでたとこで可愛がってた猫がいなくなり、たまに探しに行ったりしてるからたまたま猫の餌を持っていたのだ。普段は持っていない。

話を戻す。
猫に餌をあげてみたけど全然食べない。
甘えては来るけど、餌には興味を示さないのだ。
そんな時、お寿司屋さんの扉がガラガラっと開いた。
中から食事を終えたお客さんが出てくる。
猫はお客さんに「ニャー!ニャー!」と擦り寄る。
するとお客さんは、手に持っていたまぐろを一切れ、猫にあげたのだ。
猫は美味しそうにたいらげ、お客さんはニコニコ猫を見ている。

「……こいつ、やるな」
と思った。

お腹は空いてたが、まぐろがもらえるから猫の餌で空腹を満たしたくなかったのだ。
舌の肥えた、野良の美食家だ。
なんかかっこよく思えてきた。
この猫にまぐろをあげるためだけに、この寿司屋に行ってみようかと思った。
もしかして、猫と寿司屋がグルだったりして。

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