週刊note「年末」

子供の頃、クリスマスなんてイベントは小学校高学年には消滅していた。
誕生日プレゼントも、10歳ぐらいからはもらっていないだろうか。
一度クリスマスをやらない理由を親に尋ねると、「うちは仏教だ」と言われたことがあるが、
仏教らしいイベントと言えば葬式ぐらいしかなく、大人のしたたかさを目の当たりにしたものだ。

だから僕は、どちらかと言うとクリスマスより年末と正月にいつもワクワクしていた。
少ない親戚の家に遊びに行き、わずからながらお年玉をもらえる。
いつジュースを飲んでもいいし、夜ふかししても怒られない。
いや、うちは元々夜ふかししても怒られなかった。

この年末のワクワク感は、大人になってからも消えないもんだ。
特にいつもと同じ日付が変わるだけで、何かが大きく変わるわけでもないのに、なんでこんなにウキウキするんだろう。

しかもだ、自分は大人になってから後乗りでクリスマスにもワクワクするようになって来た方なので、なんだか子供の頃より楽しいのだ。
だからもし自分に子供がいたら、あまりクリスマスなどは過剰にやらない方がいいんじゃないか、とすら思っている。

この間単独の時にコントを作ってて思ったが、僕はどことなく寂しげな物が好みらしい。
だからこの年末の、寒空の中、過ぎ去る日々を思い返し、来年に思いを馳せるこの感じが、とても好きなのかもしれない。

ちなみに問答無用に夏は嫌いだ。