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なかなか行動できないキミへ デカルトが教えてくれたヒント

1.本の紹介

何か行動を起こしたいとか、新しいことをしたいと思ってはいても、なかなか行動するまでにはいたらないという人は、意外と多くいるのではないでしょうか?

本日読んだ本の中に、その悩みを解決するヒントが書かれていたので、ご紹介します。

小林昌平著「その悩み、哲学者がすでに答えを出しています。」

2.デカルトについて

この本の一節に、デカルトの考え方が書かれています。

デカルトは、近代哲学を開いた第一人者であり、「我思う、ゆえに我あり」という言葉を残しました。

哲学者というと本ばかり読んでいる人物というイメージがあります。
しかし、デカルトは、当時の学問を制覇した後、それらに疑いを持ち、読んできた書物をすべて捨て、旅に出ます。
そして旅で得た実体験で学んだことから、たった一人で学問を再構築しようと試みました。

3.デカルトの方法論

その後、デカルトは「方法序説」を執筆し、「もろもろの学問分野で、正しく理詰めで真理を探究するための方法」として、以下の4つの方法を書きました。

明証
明らかに真であると認めないかぎりは、いかなるものも真として受け入れない。

総合
私の思想を順序にしたがって導く

枚挙
何も見落としていないと確信できるほど完全に数え上げることと、全体にわたって目を通すことを至るところでおこなう

分割
私が取り組む難しい問題のそれぞれを、できるかぎり多くの、しかもそれを最もうまく解くために要求されるだけの数の小さなパーツに分割すること。

4.やりたいことを実現するための方法とは

ここで、今回はじめにお話しした、やりたいことがあるけれども、行動に移せない悩みについて、話を戻します。

この場合の「やりたいこと」というのは、「少し手強い問題」とも言い換えることができるのではないかと思います。

デカルトが述べる「困難の分割」とは、「自分にはできそうもないこと」を10年レベル、数年レベル、1年レベル、月レベル、毎日の日課、というように、小さな単位にして、行動できる単位に落とし込む方法です。

さらに数時間、数分のスキマ時間に行える具体的な行動に落とし込み、毎日取り組んでいけば、時間はかかっても、いつか望む状態に辿り着けます。

大きな目標の途中に小さな目標を立て行動していくことで、小さな成功体験を積み重ねていけますし、少しずつではあっても確実にゴールに近づくことができます。

また、デカルトのこの考え方は、それまで「神がすべて」というヨーロッパに浸透していた考え方を、神の存在をいったんカッコに入れ、「人間の理性だけで成り立つ世界認識」を捉える考え方として、哲学だけでなく、近代学問の基礎の第一歩になり、当時の思想に大きな変革をもたらしました。

できそうもないことをやりとげようとするとき、小さな単位でできる具体的な行動を積み重ねていく。
その行動の一つ一つが実現への道を開く。

その考え方のヒントは、デカルトが壮大な学問の再構築に挑む過程で発見された方法論から得ることができます。


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