立夏

今日、5月6日は二十四節気における「立夏」。

「立秋」はまだ夏の暑さが残り、「立冬」はまだ秋、「立春」はまだ冬の寒さが残るのに比べ、「立夏」は春が終わり夏が始まるのを肌で感じる。

京都では、上賀茂神社の近くにある大田神社の杜若(カキツバタ)が満開を迎える。

大田神社の杜若(筆者撮影)

毎年見に行っているが、一旦見ると帰ることがなかなかできない。普通、神社やお寺の境内に咲く花は植えられたものだが、これは「野生」の杜若。少なくとも平安時代から、この地で毎年立夏の頃に花を咲かせ続けているとのこと。江戸時代には、尾形光琳がこの風景から着想を得て「燕子花図屏風」(東京の根津美術館が所蔵する国宝)を描いたらしい。

そして、新茶の季節である。立春から88日が経った「八十八夜」(5月2日ごろ)から茶摘みが始まり、煎茶に加工されてお店に出回るのが今の季節。

それから夏みかん。みかんなので、実がなるのは冬なのだが、その時点では酸っぱ過ぎて食べられず、立夏の頃まで待つと、酸が程よく抜けて食べられるようになる。その酸味が、初夏の暑さによく合う。

しかし、夏みかんの変異品種、甘夏は、そこまで酸っぱくなく食べやすいとのことで、みんなそちらを食べるようになり、夏みかんを栽培する農家は山口県萩市ぐらいにしか残っていないらしい。

その萩市から夏みかんを仕入れて、中をくり抜いて、絞った果汁と寒天を合わせて夏みかんに戻し、冷やして固めたのが、老松の銘菓「夏柑糖」。老松の嵐山店には茶房があり、そこで食べることができる。





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