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双極性障害のこと 【元気が辛い】

双極性障害というこの病、なのか、障害なのか。

気分が落ち込んで何もできない、する気になれない状態になるところは「うつ病」と似ています。
やらなくてはならないことができない。
それまで大好きだったこともやる気になれない。
大好きな友人に会いに行くのも辛くてできない。
せっかく切符を買ったライブも当日になって行きたくなくなる。
テレビを見ることも入浴もしたくない。

そうかと思うと、一転して元気いっぱいになる。
それまでのひどい落込みが嘘のように、途端に元気になります。

「鬱」の対極にある「躁」という二つ(双)の状態が極端に現れるのがその特徴です。

私の場合は、一時期、日中に9時から17時までめいっぱい仕事をしながら、平日も夜は太鼓の練習に通うか、落語やお芝居を見に行き、何もなければいったん帰宅してから走る、週末は太鼓の練習やスポーツジムをハシゴする、と休みなく動き続けました。
これが1年間続きました。

そういうことを人に話すと、「私だってそうだよ」「自分も同じ」と言われることが多々あります。
私の周囲にも一つのことに熱中して四六時中そのことを考え、やっている人がいます。
では、そういう方々の「元気」と双極性障害の「躁状態」とは何が違うのでしょう。

一番の違いは「生活に支障が出るかどうか」ということだと思います。
時間もお金も生活に支障が出るほど使ってしまう。
借金をしてまで買い物をする、それでもまだやめない。
夜も眠らずに活動し続ける。
休みなく話し続け、ときには人を傷つけるような暴言を吐く。
なんでもできると思い、いろいろなことをやり始めるが長続きしない。
などなど。

そして、もう一つの違いは、その元気の後にひどいうつ状態が来ることです。
これも人に言うと、「気分の波は誰にでもあることだから」「自分もそうだよ」とここでも「誰でも」「自分も」で片付けられてしまいます。

元気になることがあるだけに、なかなか病気とか障害とかとは思ってもらえないところがあるのがこの病気だと思います。
「元気になる」病気なんて、なかなか理解してもらえません。
でも、当事者としてはこの「元気」が辛いんです。
抑えようと思っても歯止めが効かない。
この後に鬱が来ることが分かってていても我慢できない。

幸い私には「70%で!」と注意をしてくれる友人がいるので、自分が元気すぎることに気づくことができています。
この病気を解ってくれているありがたい存在です。

元気が辛い。
このことをもっと周囲に理解して欲しい。