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絵画教室

コロナが今のようになるまで、私は月に1度、家の近くの障がい者施設でボランティアをしていました。

その施設は重度・最重度の知的障がい者の入所施設です。
そこで私がボランティアを始めたのは2000年の8月ですから、もう20年以上が経ちます。
この間、食事、入浴、散歩、外出、外泊、デー活動のお手伝いなどをしてきました。
そして、昨年までやっていたのは「絵画教室」でのお手伝い。
この施設ではこの絵画教室に力を入れており、立派な絵画室が用意されています。

開始時刻になると、入所や通所の方々が集まってきます。
部屋の入口まで来て、中へは入らずにそのまま戻って行ってしまう方。
それまで大暴れしていたのに絵画室に入ったとたんに一心不乱に画用紙にクレヨンを走らせる方。
何もせずにおしゃべりを続ける方。
それぞれ、それぞれ。

そこで、私がやっていたのは1人の利用者さんの横に座り、絵の具やクレヨンなどの画材をお渡しすることです。
ここで気をつけていたのは、どの色を使うかは利用者さんに決めていただく、ということです。
私が色を選んでしまっては、その方の創造力を生かせません。
いろんな色を選ぶのも、同じ色を何度も選ぶのもその方の個性。
クレヨンで描いた絵の上から絵の具で塗りつぶしてしまう方もいらっしゃいます。
「あ~、せっかく描いたのにぃ...」と思うのは私の感覚。
その方にとってはそれが創作なのです。

この楽しい絵画教室に戻れるのはいつのことでしょう。

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