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大塚HDの決算発表

初めに少々固苦しい話をしますが、宜しかったらちょっと我慢して読んでみてください。

大塚ホールディングスという会社があります。
傘下にポカリスエットやボンカレーなどの大塚食品、チオビタやソルマックなどの大鵬薬品、後述する大塚製薬などがあります。

グループ全体の2022年度の売上金額は17,380億円、事業利益は1,749億円です。
事業利益というのは、ざっくり言うと、社員の給料や広告に使うお金など「払う金額」を売上金額(=収入)から差し引いた金額です。
この約1兆7千万円の売上のうち、約35%にあたる6,191億円が大塚製薬の3種類と大鵬薬品の1種類の薬によるものだそうです。
そして、この4種類のうちの2種類は抗精神病薬です。
私はこのうちの1種類の形状しか知りませんが、小指の爪の半分くらいの小さな錠剤です。
あとの3種類も大差ないでしょう。
その小さな粒が6,191億円も売れていて、大企業を支えているのです。

6,191億円がどういう金額か、ピンときませんね。
1億円の高級マンション6,000戸分。
6億円の宝くじ1,000回当選。
なんて、いずれにしても途方もない金額ですね。

化学の発達によって、これまで治らなかった病が治るようになる。
嬉しく素晴らしいことだと思います。
抗精神薬がこれほど売れているのは、それだけ精神を病む人が多いということなのでしょう。
しかし、単純にそうもいえないのではないか、という気持ちでもあります。

私の「病気友達」の中に、1日に80錠もの薬を服用している人がいます。
なかなか回復しないうちにいろいろな症状が出、そのたびに薬が増えていったのだそうです。

私は薬に振り回された経験があります。
うつ状態がひどく、何もできないでいたときに処方されたある薬。
コンタック600くらいのカプセルでした。
これを1粒飲むと、たちまち元気になりました。
それまでの憂鬱な気分はどこへやら。
もう治った!とすら思いました。
そして、しばらく休んでいたハーフマラソン大会にも参加しました。
それまで布団から出ることすらできずにいたのに、突然21キロを、しかも2時間そこそこで走ってしまうのですから、恐ろしいものです。
当然ですが、その後にはひどい反動が来て、前よりもさらに落ち込み、また薬が増える。
これの繰り返しでした。

その後も薬を変え、増やす、を続けていましたが、一向に良くなることはありませんでした。
先述の大塚製薬の薬のうちの1種類も服用していました。

ちょうど2年前の今ごろのこと、2週間薬なしで生活せざるを得ないことになってしまいました。
不安でなりませんでしたが、1日経っても、2日経っても何も変わらず。
変わらないどころか、むしろ気分が晴れてきたのです。
そして、2週間後には「こんなに爽快な気分は久しぶり」という状態になりました。
それ以来、今まで、元気に生活しています。
薬は1種類だけ服用していますが、これも要らないと思っています。

もちろん、医師の指示に従わない断薬や減薬は、危険を伴うことがあるので、してはなりません。
「薬なんかやめちまえ!」とは言いません。
私の場合は運が良かったのでしょう。

しかし、「20年間飲み続けた薬はなんだったのだろう」という思いは拭い切れません。

大塚ホールディングスの決算発表を見るにつけ、「6,000億円かぁ…」という、なんとも言えない気持ちでいます。