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自己選択

ときどき、目にしたり聞いたりすること。

電車の中で高齢者に席を譲ろうとしたら、「結構です!」と強い調子で断られたという話。
譲った方は「せっかく譲ってあげたのに」という気持ちでしょう。
確かに「せっかく」なのです。
それなのに、席を譲られたその高齢者はなぜ断ったのでしょう。
もしかしたら、健康のためにできるだけ立っているようにしていたのかもしれません。
或いは、次の駅で降りることになっていたのかもしれません。
「無理やり」座らされることにカチンときたのかもしれません。

ここで大切なのは「自己選択」だと思います。
この例でいえば、座るかどうかを決めるのは高齢者であって席を譲った人ではありません。
では、どうすれば良いのか。
答えは人それぞれだと思いますが、私はいつも「おかけになりますか?」と声をかけることにしています。
これなら座るかどうかの選択を与えられることになり、高齢者も気持ちよく「ありがとうございます」と言って座るか、「いいえ、結構です。ありがとうございます。」というやり取りができると思います。

これは高齢者だけでなく、障がい者に対しても同じです。
有無を言わさず「手伝う」のはむしろ親切の押し付けになりかねません。
手伝いや援助を求めるかどうかを決めるのは本人です。

自己選択ができるかどうかも「心のバリアフリー」の一つだと思うのです。