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怪談など

久々に図書館で本を借りた。昔から怪談や不思議な話が好きで、親に眉をひそめられながらも読んでいた。
遠野物語や小泉八雲の怪談は大好物である。
非科学的なものは一切信じないという夫は、妖怪や幽霊はいないと言い切る。河童や雪女、キツネに化かされた話などは全く興味がないようだ。
その割に、昔ボーイスカウトでキャンプに行ったとき火の玉を見た、とか、そんな経験はあるようだ。要は自分で見たものしか信じられないんだろうと思う。
今回は山の不思議な話を借りた。娘は本の表紙が怖い、と顔をひそめた。
山小屋で一夜過ごした話、人魂の話、幻視のようなもの。人が語る話というのはリアリティがあって胸が躍る。
別に自分もこんな体験をしたいとかそういうわけではない。
花に心があるとか、物にも魂が宿るとか、そんな世界が好きなのはただ単に現実から逃げたいというだけではないような気がする。
うまく言えないのだけど、見えない世界、わからない世界がずっと存在するということ自体が希望であることのような。
未来はわからないし、わからないほうがいい。そんなものにちょっと似ているのかなと思った。
なにもかもわかってしまうことほど、退屈なことはないのかもしれない。

#エッセイ #山 #怪談


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