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本とわたし

先週末、部屋の模様替えをした。
娘は10歳、息子は8歳でそろそろベッドを別々にしないといけないと考えていて、両親にベッドを運んでもらったり、棚を一階に運んでもらったりしてなんとかできた。
自分の部屋はないけど、和室にピアノがあり、楽譜やパソコンも置いている。ここに二階にある本棚を持ってきてもらった。
汗を流しながら本を全部運び、和室に積み上げた。CDは半分ぐらいに減らし、楽譜も使わないものは段ボールに入れて片づけた。
問題は本だ。自分ではそんなにたくさん持っていないつもりだったけど、この狭い家には多すぎる量だな、と山積みになった本を眺めてため息をついた。とにかく減らさなければ楽譜と一緒だから、入らなくなる。1冊ずつ手に取った。
どれも好きな本ばかりだ。
集めた絵本や星野道夫さんの写真集、陰陽師シリーズ、ムーミンシリーズ。宮崎駿監督の「シュナの旅」を久々に読んで胸が詰まった。
そんなことばかりしてるからなかなか片付かない。けれど、なんだか満たされた時間だった。好きな本を手にする瞬間は、好きな人と久しぶりに会っているような感覚に近いかもしれない。出会った時のことも、読んだ時の気持ちもそのまま残っていて、全部思い出せる。
私はたくさん本を読むタイプではないけれど、好きな本は何度でも読む。本当はこのまま本の海におぼれていたい。

どうにかこうにか本棚に全部詰め込んだ。もう1冊も増やせられないほどびっちり詰まっている。ガラス戸から覗いている本たちに見られながら過ごすのは悪くないなぁと棚を眺める。
彼らはときどき私を助けてくれる。
相棒みたいなものかもしれない。

#エッセイ #本 #本の海 #棚

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