見出し画像

021 瞬間的に感情に乗っ取られる

怒っている人は何にでも怒っている。許せてないのが自分自身だという事にまだ気付いていない

為末大

021 瞬間的に感情に乗っ取られる

日々の暮らしの中で、時折、自分がどんな体感覚なのか?
どんな感情(身体の感覚)を感じているのか?
と確認することがあります。

平常時なら、静かに確認できます。
今この瞬間だと、クーラーの風が腕にあたり、椅子に座る座面でお尻が圧迫され、足の裏が地面についていて、口の中は龍角散のど飴の甘さがあります。
文字を打つと、思考の影響で、私の重心が腹から頭にシフトしていることを自覚します。
大きな感情はなく、人の役に立つ文章を書きたいと願っていることに気づきます。

ところが、
例えばバス待ち列の割り込みを見た時・・・・怒りが。
来客に怒鳴られて・・・・・・凹む、悲しむ。
オーガナイズしたワークショップで、想定外の苦情を受けて・・・・・・胃のあたりがずっしりと重たくなる。
苦手な人の言動を見て・・・・・・モヤモヤする。

激しい感情が湧き上がると、私は感情に乗っ取られてしまうのです。

特に怒りの感情が厄介です、反射的に、事態を悪化させるような言動を生み出します。
「アンガーマネジメント」だけで、一分野できるぐらい、人間にとって普遍的な悩みなのだと思います。
アンガーマネジメントの知恵である「6秒ルール」は、もちろん、私の役に立っています。

・6秒ルール
どんなに激しい怒りでも、感情のピークは長くて6秒だといわれています。 この6秒さえ乗り切れば、衝動的な行動を起こしにくくなります。 怒りを感じて、頭に血が上ったと思ったら、とにかく6秒待つ

 ビズサプリ

なお、NVCでは、ホルヘ・ルビオというトレーナーが、「フグになる」という方法を教えてくれました。
いつもできてるわけじゃないのですが、簡単にプロセスをメモ書きします。

◆その現場で瞬時に行う場合(緊急対応)
(1)自分の中に大きなスペースを瞬間的に作る
(2)スペースの中で、全ての感情を出し尽くす
(3)全身の感覚を感じ、全ての感情があることを許し、深呼吸する
(4)ニーズに繋がる
(5)ニーズからの行動(リクエスト)を起こす

◆ゆったりスペースがあり、その出来事を振り返る場合
(1)怒りの起点となった出来事を思い出す。
「名前も知らないあの中学生が、バスの列に割り込みやがった。そしてシルバーシートに座るという暴挙に出やがった。それもほとんど毎日繰り返してやがる!」

(2)自分の感情をあるがままにして、観察する。
「ああ、私はめっちゃ腹が立つと、思ってるな」

(3)思う存分、「フグの内的スペース」(フグのおなかが膨らむような、私の中の大きなスペース)を作って、想像の限り相手にやりたいことをやる。
「『ふうっ』と声をだして、内的スペースを膨らます。
つぎに、あのくそ学生が!ぶんなぐってやる、そしてバスの扉から蹴落として、ぼこぼこに殴ってやる。きっと土下座して無様にお詫びするはず。そこで、さらに学校にも通報して社会的な制裁も加えよう・・・・ と飽きるまで徹底的にやりたいことを想像の中でやりつくす」

(4)情熱のある批判の一文を書き出す。
「あのくそ中学生は、人間としての根本がおかしい、性根が治るまで徹底的に叩きのめす必要がある」

(5)定型文に当てはめる。
私が (その一文) と考えるとき、実際は (感情) と感じていた。
それは、私には (ニーズ) がとても大切だから。

私が「あのくそ学生は、人間としての根本がおかしい、性根が治るまで徹底的に叩きのめす必要がある」と考える時、実際は、大きな怒りを感じていた、それは私には「お互い様であること」「思いやり」「配慮」がとても大切だから。

(6)一息ついて、味わう。
深呼吸、深呼吸・・・・・ ああ、私は、思いやりのある世界で生きていたい。
そして、どうやら、過去、「ルールを守れ!」という事でたくさん怒られたりひどい目にあってきた自分がいて、刺激されてるんだな~
「ルールを守らないとひどい目に合う」というトラウマがあるみたいだ。

(7)自分へ「そして私はいま、反応してしまう代わりに、これと深く関わります。」とリクエストする。

「そして私はいま、反応してしまう代わりに、これと深く関わります。
・・・・ああ、幼い頃、沢山の大人に矯正されてきた痛みが私の中にあるな・・・このことと、深く関わってみよう」

マガジンはこちら


頂いたサポートは、学びを広げていくための活動資金として活用させていただきます。ありがとうございます!