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詩|光と闇

光が溶けている。
目が覚めて一番最初に目に入った天井を見て、そう思った。
真白な天井と黄色い陽光がまじり合って、きらきら輝いている。
ごく普通のアパートの一室とは思えない美しさだった。

あまりの光景に時間を忘れ、ずっと天井を見つめていた。
時間すらも溶けてしまっていた。



闇が溶けている。
注文していた遮光カーテンを付け終えた感想がそれだ。
一片の光もない。
部屋中全ての色が闇に溶かされてしまったかのようだ。

そういえば有名な作家が遮光カーテンを「ガンダルフに見える」と称していたっけ。
右も左も分からないのは、ガンダルフに包まれているからか。


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