こっそりと会いに行ったともだち

そこはひっそりとしていて、少し冷たく、いつでも薄暗いところでした。
金属製の棚にはびっしりと本がならんでいました。
通っていた大学の図書館です。
受付のカウンターから最も遠いところ、奥の奥のだれも行かない本棚には、たくさんの絵本があり、授業へは出席せず、そこでよく絵本を開いていました。
いろんなことに不満を抱き、いろんなことに疑問を感じていました。理想は在るけれど現実を変える力はなく、そういうときって、心許せる友人と一緒にただ時を過ごしたいのです。

その友人が、ぼくにとっては絵本でした。
時間を忘れて、一冊一冊をじっくりと読みます。
ジョン・バーニンガム、バーナデット・ワッツ、プロヴェンセン夫妻と出会いました。
力強くてやさしく、ユーモアがあり、驚かされたり、しんみりしたり。
絵本がぼくに伝えてくれたのは、この世界の尊さでした。

この頃考えていることがあります。

一冊の絵本について、ぼくに書けることを書いてみようかと。
どんなものが書けるかはわからないけれど、やってみたい。
こんな絵本がありますよ、ってお知らせしたら、もしかしたら、誰かがその絵本を手に取ってくれるかもしれない。
もしかしたら、その絵本がどこかのだれかにとって、友人となり得るかもしれない。
そんなことを考えています。

ちびちゃんの通う幼稚園には、門のところにお知らせの掲示板があります。
ママさんたちのコーラス部、その練習日のお知らせを毎回描かせて貰っています。
かわいい、毎回たのしみ、なんて言われて気を良くしたぼくは、よし、今度は本の紹介をやってみようと思っているわけです。

家にある絵本から選びました。
まずは、この12冊の1冊1冊について、言葉にしてみようと思います。

今日は日曜日。
いつもだったら仕事ですが、特別に休みをいただきました。
ちびちゃんの誕生日なのです。
5歳になった、ちびちゃんはきょうもかわいい。
おおきくなったね。
おめでとう。



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