日本橋断想

おはようございます。
出張のため、数日前から日本橋に来ています。
朝から晩まで働いて、では、働いていない時間はなにをするのか。
好きなことをするのですが、それは読書です。
持ってきたのは串田孫一「季節の谷間で拾い集めた74の断想」という本です。
長い題ですね。
著者自身もあとがきで、長い、と書いています。
断想って、途切れ途切れに浮かんでは沈むような想いでしょうか。
短い文章がたくさん入っています。
こういうの、好きです。
頭からと決めずに、ぱっと開いたページを読むので、何度か同じものを読むことにもなりますが、それもいい。
好きな音楽を繰り返し聴くのと似ています。
もともと、この本の原稿はラジオで放送されたものらしいので、話す言葉の余韻を残しているのかもしれません。

本を読んでいると、そこにある言葉がどこかへ連れて行ってくれる。
ほんの短い描写によって、頭なのか心なのかそれとも身体のそこかしこなのか、浮かび上がるものがあります。
ぼくはホテルの部屋にいるというのに、列車の中に沢山のひとが流れ込んできて、そのひとたちの胸にはみんなスズランの花が挿してあるという場面に立ち会うのです。
言葉って、いったい、なんなのだろう。
いつも不思議でたまらない。
そして、言葉を使うひとというのはなんという生き物だろう。

さて、きょうも沢山の方々と出会えるところへ出かけてきます。

良い週末を。



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