Drive!! #128 ボート X 小説
「もうそろそろ上がりなよー、杉本。ミーティング間に合わないんじゃない?」
自転車で伴走してくれていた川田さんに声をかけられて、俺はしぶしぶ陸に上がった。
今日もダメダメだった。俺がエルゴ値の伸びで積み上げた自信は溶けてしまった。なくなってしまった。折れてしまった。
二回生3人のタイムは一番遅いのが俺、トップは岡本だった。
井上は表情ゼロで淡々とシングルを拭いていた。井上、お前はもうちょっと嬉しそうにしろ。俺に勝っても当たり前にたいな顔しやがって。
いつも通りの井上の横で